ポルカドット、DAOガバナンスのもと米USDT発行・米国債シード資金でステーブルコイン「dotUSD」をローンチ

ポルカドットがステーブルコイン「dotUSD」をローンチ

ポルカドット(Polkadot)は2026年10月8日(木曜日)、オンチェーンの分散型ガバナンス「OpenGov」による管理のもと、新たなネイティブ・ステーブルコイン「dotUSD」をメインネット上でローンチした。

日本語訳:
dotUSDがPolkadot上で稼働開始しました。 今日、数社の企業が世界のステーブルコインの大部分を発行・管理しており、その価値は2,500億ドルを超えています。銀行のように、彼らは誰が保有できるか、誰が…

dotUSDの立ち上げは、ポルカドットのOpenGovにおける住民投票(レファレンダム)1944号で正式に承認され、約98.4%という圧倒的な支持を集め、約430万DOTが賛成票を投じる形となった。

プロジェクトの初期流動性を確保するため、ポルカドットのトレジャリー(財務基金)から資金拠出が行われている。当初計画では合計500万ドル(約7.9億円)規模(※dotUSD発行用と流動性プール用にそれぞれ250万ドル)の割り当てが予定されていたが、その後の修正案により各150万ドル(2.37億円)へと縮小され、最終的に合計300万ドル(約4.7億円)規模の米国債および資金をシードとして運用が開始されることになった。

なお、この提案を提出したPolkadot Community Foundationはあくまで管理的な役割に徹し、トークンの発行や運営、カストディ(保管・管理)には一切関与しない方針を示している。

初期フェーズの実態:Tether社USDTとの矛盾と依存関係

「発行主体を持たない」と謳うdotUSDですが、ローンチ初期の第1段階では、その設計や実態を巡って一部で矛盾や懸念が指摘されている。

現段階の仕組みでは、ユーザーは供給上限に達するまで、テザー(Tether)社発行のUSDTと1対1の比率でdotUSDをミント(発行)することが可能だ。USDTは中央集権的に管理される代表的なドル連動型トークンであり、ポルカドット自身がかつて“避けるべき”と警鐘を鳴らしていたモデルそのものだ。

さらに、第1段階で発行される1 dotUSDは、準備金として保管される1 USDTに対する請求権を意味します。そのため、もしテザー社側が準備金を保有するウォレットを凍結した場合、dotUSDの裏付け資産も同時に影響を受けるリスクを抱えている。

近年、テザー社によるブラックリスト登録やアドレス凍結措置は頻発しており、法的なトラブルや訴訟事例も報じられているため、中央集権型ステーブルコインへの依存は“諸刃の剣”との見方も示されている。

完全な分散型を目指すフェーズ2への展望

現在のUSDTを裏付けとする運用は、本格的な分散型システムを構築するまでのつなぎ=ブリッジの段階と位置づけられている。

今後の展開として予定されているフェーズ2では、DOTを担保とするボルト(vaults)、価格オラクル、安定化プール、清算機能、償還メカニズムがシステムに実装される見込みだ。これにより、準備資産からUSDTを完全に排除し、Liquityモデルなどに準じた自律的な担保付き債務の設計へと移行していく計画となっている。

フェーズ2の正確なリリース時期はまだ確定していないが、共同創設者のギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏が言及して以来長らく注目されてきたこの試みが、真の意味で独自の分散型ステーブルコインへと脱却できるかどうかに、今後も市場の関心が集まっている。

 

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