Zcash創設者はPoWからPoSへの移行を提案
Zcashの創設者であるズーコ・ウィルコックス（Zooko Wilcox）氏が、プライバシーに焦点を当てた仮想通貨を、カーボンフットプリント（※温室効果ガス排出量）の観点から、より環境に優しいアプローチと考えられているプルーフオブステーク（PoS）へ移行することを提案していることが分かった。
仮想通貨市場2番目に大きい仮想通貨であるイーサリアム（Ethereum/ETH）はすでにこの移行を進めている事でも知られている。NEXTMONEYの特集記事「テスラが「環境への多大なコスト」を理由に、ビットコインの支払いをやめる」でも報じているように、ビットコインのエネルギー使用に関する最近の懸念がテスラ（Tesla）のイーロン・マスク（Elon Musk）CEO（最高経営責任者）によって提起された後、これによりイーサが機関投資家にとってより魅力的になると信じている人も増えている。ウィルコックス氏は、エネルギーを大量に消費するだけでなく、51%攻撃でみられるように、PoWにも「セキュリティ上の欠陥」があると考えてており、大手メディアForbesの取材に対して次のように語っている。
プルーフオブステークは、はるかに強力な種類のセキュリティを低コストで提供できると思います。
PoS以降への準備が整う
同氏によると、PoWの設定では、PoSネットワーク上でネットワークが攻撃された場合、ユーザーには多くの選択肢がなく、悪意のある攻撃者を特定してトークンを取り消すことが可能だ。
テゾス（Tezos/XTZ）、アルゴランド（Algorand/ALGO）、コスモス（Cosmos/ATOM）、カルダノ（Cardano/ADA）の発売が成功したことからわかるように、プルーフオブステークは“証明済み”であり、“実験”ではなくなったため、同氏も前進する準備が整っているとみられる。さらに、プライバシー保護に関して、現在転換点に入っているとしたうえで次のように語っている。
私たちは同時に、巨大企業と政府が東と西の両方ですべての人をますます支配するようになっています。そして同時に、世界中の人々がプライバシー、自律性、人間関係をより意識し、評価するようになっています。
価格の下げ圧力取り除きを期待
Zcashは、プライバシーに焦点を当てているが、ウィルコックス氏によって2012年、ビットコインの上にzk-snarksを統合することを提案し、2016年10月にZcashを設立している。
CoinMarketCapより画像引用
CoinMarketCapの調べによると、8月4日12時現在のビットコイン価格は、1BTC=410万円（38,000ドル）前後で推移しており、2021年4月の過去最高1BTC=700万円目前の価格から約40%減少している。そして、Zcashでも、1ZEC=12,500円（110ドル）前後で推移しており、約5年前のピーク時の1ZEC=17万円目前から96.4%減少している。
CoinMarketCapより画像引用
より分散化された、攻撃や捕獲に強い、平等主義的なネットワークへの切り替えは、ZEC価格への「下向きの圧力を取り除く」ことも期待されているとウィルコックス氏はブログで語っている。
