ホワイトペーパーとマーケティング要件への違反で制裁
オーストリアのFMA(金融市場監督機構)は、MiCA(仮想通貨市場規制)に違反したとして、仮想通貨サービス企業Bitpanda(ビットパンダ) GmbHに70,000ユーロ(約1,290万円)の罰金を科した。FMAが公表したMiCAに基づく法的拘束力のある最終的な制裁決定としては初の事例となる。
ホワイトペーパーの提出時期など複数の違反を指摘
FMAが指摘した違反の一つは、Bitpandaによる仮想通貨ホワイトペーパーの提出時期だ。MiCAでは、ホワイトペーパーを公表する少なくとも20営業日前に関係当局へ提出する必要があるが、Bitpandaはこの期限を満たしていなかった。
さらに同社は、必要なホワイトペーパーを公表する前にマーケティング資料を配布していた。別のマーケティング資料では、EU(欧州連合)の機関による審査や承認を受けていないことや、内容について提供者が単独で責任を負うことを示す必須の記載が欠けていたほか、電話番号とメールアドレスも記載されていなかった。
FMAは迅速な手続きを通じて処分を確定し、70,000ユーロの罰金を科した。一方、今回の違反は情報開示の時期やマーケティング資料の内容に関するもので、顧客資産の保管や出金へのアクセスに関する問題ではない。Bitpandaも、顧客資金やプラットフォームの安全性への影響はなく、顧客に金銭的損害は生じていないとしている。
認可後も続くMiCAの監督と執行
BitpandaはすでにMiCAに基づく認可を取得している。ドイツのBaFin(連邦金融監督庁)は2025年1月に同社へMiCAライセンスを付与し、FMAも同年4月9日、Bitpanda GmbHを仮想通貨サービスプロバイダーとして認可した。オーストリアでの認可は、保管、交換、注文執行、注文の発注・受領・送信、送金などを対象としている。
今回の処分についてFMAは、初の公表事例であることがBitpandaや違反行為に特別な地位を与えるものではないと説明している。MiCAによる規制が認可だけでなく、その後の監督や執行段階へ移っていることを示す事例となった。
Bitpandaはフランクフルト証券取引所へのIPO(新規株式公開)も検討しており、潜在的な企業価値は40億ユーロ(約7.383億円)から50億ユーロ(約9,229.5億円)と報じられている。
今回の処分は、認可取得後の事業者にもホワイトペーパーやマーケティングを含むMiCAの情報開示要件が適用されることを示す事例となった。
























