送金時の確認が強化、少額取引も対象に
オーストラリアで2026年7月1日(水曜日)から、仮想通貨送金に関するトラベルルールが施行され、規制対象の仮想通貨取引所などは、利用者の送金・受取時に送金人や受取人の情報確認を求められる。
取引所は送金人・受取人情報を確認へ
AUSTRAC(オーストラリア取引報告分析センター)のガイダンスによると、今回のルールは、規制対象事業者が送金指示を受け入れる場合や、受け取った仮想通貨を受取人に提供する場合に適用される。
対象には、仮想通貨と法定通貨の交換、仮想通貨同士の交換、保管サービス、送金サービス、トークン発行に関連する一部サービスなどが含まれる。事業者は、送金前に支払人の情報を確認し、受取人の氏名、口座番号、ウォレットアドレス、取引参照番号など、資金の追跡に必要な情報を収集する。AUSTRACは、これにより送金チェーン全体の透明性が高まり、規制当局や法執行機関が必要なデータにアクセスしやすくなるとしている。
オーストラリアのトラベルルールには最低金額の制限がなく、国内送金と国際送金の両方が対象となる。このため、少額の仮想通貨送金でも確認手続きが発生する可能性がある。一方、Swyftxの不正対策および金融犯罪対策責任者であるギャビー・ルイス(Gabby Lewis)氏は、必要な情報を一度提供すれば将来の使用のために保存されるため、多くの取引所利用者への影響は限定的との見方を示している。
自己管理型ウォレットでも追加確認の可能性
取引所から自己管理型ウォレットへ仮想通貨を送る場合も、確認手続きの対象となる。利用者は、送金先アドレスが自分のものであることを確認、宣言するよう求められる場合がある。取引所や管理型ウォレットへ出金する際には、送金先が本人のものか、別の事業者のものか、第三者のものかを確認される可能性もある。
ただし、今回の規則は自己保管や仮想通貨送金そのものを禁止するものではない。自己管理型ウォレットへの送金では、他企業へ情報を送信する必要がない場合でも、送金を依頼された事業者は支払人情報、受取人情報、追跡情報を収集・確認する必要がある。未確認の自己管理型ウォレットが関与する送金に関する義務的報告は2029年3月31日まで延期されているが、疑わしい取引の報告義務などは引き続き有効とされる。
受取側のプラットフォームは、必要な情報が不足している送金を確認し、場合によっては送金を拒否したり、追加対応を求めたりできる。このため、特に海外取引所との間では、利用者が遅延、追加質問、取引拒否に直面する可能性もある。今回の制度変更は、オーストラリアの仮想通貨利用者にとって、主に入出金時の確認手続き強化として表れることになりそうだ。
























