仮想通貨取引所Coinsbuyから約800万ドルが不正流出
暗号資産決済プロセッサおよび取引所を運営するCoinsbuy(コインズバイ)において、大規模なハッキング被害が発生したことが明らかになった。
🔴 COINSBUY — $8.07M drained
Coinsbuy refilled the wallets it was robbed from. 12 hours later $3.93M went back into the same ten addresses — seven matched to within 0.05% of each loss. It is still sitting there.
That only makes sense if the team does not believe the private…
— BlockWatchdog (@BlockWatchdog) August 10, 2026
COINSBUY — 807万ドルが流出 Coinsbuyは盗まれたウォレットに資金を補充した。12時間後、393万ドルが同じ10のアドレスに戻った。7つの…
攻撃者は複数のブロックチェーンネットワークを横断して約800万ドル(約12.7億円)規模の資金を不正に引き出し、高度なマネーロンダリング(資金洗浄)を図ったとみられている。
マルチチェーン攻撃による被害の全貌
不正流出が検知されたのは2026年8月9日(日曜日)のことだ。ブロックチェーン調査会社BlockWatchdog(ブロック・ウォッチドッグ)などの分析によると、攻撃者はまずトロン(Tron)ネットワーク上で5 USDTという少額のテスト送金を実行。問題がないことを確認した直後、Coinsbuyが管理する8つのトロンウォレットから600万USDT以上を一気に流出させている。
被害はトロンだけにとどまらず、イーサリアム(Ethereum)上でも波及。3つのウォレットから189万USDTおよび77 ETHが奪われた。異なる2つのチェーンにおよんだ被害総額は約790万~800万ドル(約12.57億円~12.7億円)規模に上る。
秘匿系通貨モネロを用いた資金洗浄の手口
奪われた資産の追跡を逃れるため、攻撃者は迅速かつ複雑な資金洗浄プロセスを開始した。
クロスチェーン・スワップ・サービスBridgers(ブリジャーズ)を用いて両チェーンでの攻撃を紐づけたのち、盗んだ資金の約79%(約10億円)を暗号資産取引所FixedFloat(フィクスト・フロート)経由で移動させたほか、150 ETHをChangeNOW(チェンジ・ナウ)へ送金。さらにBingXなどの複数サービスも資金移動の経路として利用されている。
最終的に攻撃者は、匿名性が極めて高く追跡が困難な暗号資産モネロ(Monero/XMR)への変換を進めた。ただし、ChangeNOW側が不審な資金移動を検知し、数十万ドル規模の資産を流出前に一時凍結することに成功したと伝えられている。
不正アクセスの原因と秘密鍵の無事
Coinsbuyは事故発生直後に一時入出金を停止したものの、その後サービスを再開。同社は公式リリース等で技術的な事後分析(ポストモーテム)を公開していないが、取材に対して「複数のウォレットから不正出金が発生したものの、問題は収束した」と述べている。
今回の事件で特筆すべきは、Coinsbuyが流出から数時間後に、影響を受けた同じ10個のウォレットへ約393万ドル(約6.2億円)を含む自己資金を速やかに補充した点だ。専門家は、秘密鍵(プライベートキー)そのものが盗まれた場合、同じアドレスに巨額の資金を再度預け入れることは通常あり得ないと指摘。この対応から、侵害されたのは秘密鍵自体ではなく、システム内の「出金権限」や「認証プロセスの脆弱性」であった可能性が高いと分析されている。
全額補填の発表と10万ドルの懸賞金
Coinsbuyは「影響を受けたユーザーの資金はすべて自社資金から完全に補填されており、顧客に直接的な金銭的損害は発生していない」と発表。現在は通常の運用状態に戻っている。
同社は事件の全容解明に向けて徹底的な内部調査を進めるとともに、犯人の特定につながる情報提供者に対して「10万ドルの報奨金」を支払う意向を表明。また、流出資金の回収に寄与した協力者にも追加の報酬を用意するとしている。
相次ぐWeb3業界のセキュリティ脅威
今回のCoinsbuyの事案は、暗号資産業界全体でセキュリティ上の脅威が高まる中で発生したものだ。
データ分析プラットフォームの記録によれば、2026年上半期だけでもDeFi(分散型金融)関連サービスを中心に累計8億4,000万ドル(約1,337億円)以上のハッキング被害が確認されている。今回の事件は、単一のチェーンだけでなく、複数のネットワークに跨がるインフラや出金経路のセキュリティ対策が極めて重要であることを改めて示す形となった。
























