NFT企業創業者のタジ・ターシャ、1000万ドル超の投資家詐欺と「DJ趣味」への資金流用で起訴

NFT企業創業者が資金流用で起訴される

NFTスタートアップFew and Far(フュー・アンド・ファー)の創業者であるタジ・ターシャ(Taj Tarsha)被告が、証券詐欺および通信詐欺の罪でニューヨーク南部地区の連邦検察当局に起訴された。

被告が有罪となった場合、各罪状で最大20年の禁錮刑が科される可能性がある。同社はNEAR Protocol(ニア・プロトコル)基盤のNFT(非代替性トークン)売買プラットフォーム構築を掲げ、SAFT(Simple Agreement for Future Tokens:将来のトークンに関する簡易合意書)を用いて約70名の出資者からFARトークンの事前購入名目で1,000万ドル(約15.7億円)以上を調達した。

しかし、起訴状によるとターシャ被告は調達資金を約束していたシステム開発には充てず、カジノでのギャンブルやリスクの高い暗号資産投資に充当。さらに、マイアミの高級マンション購入・ローン返済、インテリア費用、さらには自身の個人的なDJ活動にまで流用していたとされている。

偽装工作と内部での対立

2023年6月の内部監査を機に不正が表面化し始めると、被告は人員の大半を解雇。外部委託者1名のみを残し、開発が順調に継続しているかのように見せかける偽装工作をしている。

社内での疑惑発覚後、同僚らによって被告のマルチシグ(複数署名)ウォレット権限が剥奪されたが、被告は権限奪還を画策し、投資家へ直接接触を試みるなどの行動を起こした。

被告自身、当時のパートナーに対し自らの資金持ち出しを非倫理的だと認めつつ、市場について、「バブル」、「自分にとって最後の(会社)」、「絞り出せる最後の汁(最後の稼ぎ)」、「1,000万〜3,000万ドル規模のイグジット(事業売却)を可能にする魔法のチケット」と冷淡に捉えていたメッセージも残されている。

トークンの暴落と裁判の行方

最終的に2024年5月にFARトークンが市場に投入されたものの、約束された取引所が完成することはなく、価格は直後に99%以上暴落して実質無価値となり取引停止へ追い込まれた。

逮捕後に保釈されたターシャ被告の審理は、暗号資産大手FTXの裁判も担当したルイス・カプラン(Lewis Kaplan)連邦地裁判事が務める。未成熟なデジタル資産分野であっても、虚偽の説明や資金流用に対しては従来の法規制に基づく厳重な刑事責任が追及されることを示す典型的な事例となっている。

 

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