バイナンス、ドメイン「binance.com.au」を争うも花屋に敗北

バイナンス、ドメイン「binance.com.au」を争うも花屋に敗北

仮想通貨取引所Binance(バイナンス)は、ドメイン名「binance.com.au」をめぐり、ビナンセという名前で運営しているオーストラリアの花屋との争いに敗北したことが明らかになった。

バイナンスは2018年11月21日にオーストラリアで商標を登録したことを強調し、花屋はほぼ1年後の2019年10月27日にドメイン名binance.com.auを登録したとして異議申し立てを行っていた。さらにバイナンスCEOは、花屋の運営元であるNawodyczによって提供された事業計画と支出の見積もりは日付が記載されておらず、いつでも作成できた可能性があることも指摘している。

しかし6月17日、世界知的所有権機関(WIPO)は、バイナンスによって4月に提出された異議申し立てについて、被申立人が異議申し立てされたドメイン名に権利または正当な利益を有していることを認めたとのこと。

WIPOは、現時点でのバイナンスの要求に「対処しても良い目的は果たされない」と結論付け、花屋のドメイン名に対する主張を支持しているとのこと。また、WIPOは、「ビナンセフラワー」という表現はフランス語から、英語で「ペアフラワー」を意味するように翻訳されていないことに言及している。

バイナンスは、ビナンセの取締役であるナウォディッチ氏がデジタルマーケティング会社を運営し、同社の「World Bookings」の「ブロックチェーン取引所研究者」として働いていることも強調し、ドメインを収益化する唯一の目的のためにナウォディチ氏が名前を登録したと指摘していた。しかし、これについてWIPOは「デジタルマーケティングビジネスが花の配達ビジネスを拡大するということに、疑問を持つ人はいるかもしれないが、その可能性を単純に却下することはできない」としている。

ちなみに、現在binance.com.auのサイトを訪問すると、MetaMaskのブラウザ拡張機能は、フィッシング攻撃の可能性があるとの警告が表示されるようになっているようだ。