ハイパースケール・データ社による資産の一部売却と低コスト融資による資本効率化
暗号資産マイニング大手であり、AIインフラ事業を推進するハイパースケール・データ(Hyperscale Data、※旧オルト・アライアンス)は、ミシガン州におけるAI(人工知能)データセンター・キャンパス建設の加速を狙い、保有する暗号資産の一部を現金化する財務アプローチを実施した。
同社は7,100万ドル(約114億円)相当にのぼるビットコイン(Bitcoin/BTC)資産の中から約100BTCを売却し、建設費用や主要機器の調達資金に充当した。同時に、株式の新規発行による既存株主の価値希薄化を避けるため、保有BTCを担保とする資金調達枠(金利は年4.5〜5.0%の変動想定)を開設している。
ウィリアム・ホーン(William Feng:馮紹峰)CEO(最高経営責任者)は、この決定が暗号資産の将来性に対する見解を変更したわけではなく、資本配分における戦略的な判断であると説明。今回の売却後も同社は約1,006BTCを保有しており、上場企業の暗号資産保有量ランキングでは第44位の規模を維持している。
最大30億ドル規模へと膨らむ大型AIインフラ契約
開発中のミシガン州キャンパスは、大手AIインフラ企業との長期的契約を遂行するための重要拠点である。
当初の構想では20MW(メガワット)のAI計算能力を提供し、最長20年間(10年契約+5年延長オプション×2回)運用された場合の想定収益は12億ドル(約1,927億円)に上る。さらに、顧客側にはサービス開始から2年以内に32MWを追加拡張できる権利も付与されている。
この拡張権行使と最長運用の条件が重なった場合、プロジェクト全体の潜在的収益は30億ドルを超える見込みだ。
業界全体に広がるマイナー企業の事業転換トレンド
2024年に旧社名から刷新したハイパースケール・データ社(株式コード:GPUS)の株価は、この発表を受けて一時5%を超える上昇を見せた。
暗号資産マイニング企業が保有資産を活用してAI・データセンター領域へ事業を多角化する動きは業界全体に広がっている。今年(2026年)に入り、MARAホールディングスやBitdeer Technologiesなどの同業大手も、AIインフラの拡張や流動性確保を目的としたBTC資産の売却・換金を相次いで実施。マイニング企業の持続的な成長モデルとして定着しつつある。
























