仮想通貨取引所Luno、自動化などを理由に全世界で20% の従業員削減を発表

仮想通貨取引所Lunoが全世界で従業員の20%削減を発表

ロンドンに拠点を置き、アフリカやアジア太平洋地域を中心に約1,600万人の顧客基盤を持つデジタル・カレンシー・グループ傘下の暗号資産取引所Luno(ルノ)が、全世界で従業員の約20%に相当する人員削減に踏み切ることが明らかになった。

ジェームズ・ラニガン(James Lanigan)CEO(最高経営責任者)によると、同社はここ1年間で業務の自動化やオペレーション改革に多額の投資を実施。これにより事業構造の変革が進み、より少ないリソースで効率的に運営できるスリムで柔軟性の高い組織へ転換できたことが、今回の人員整理の背景にあると説明した。

Lunoが大規模な人員削減を実施するのは、暗号資産市場の冷え込みに見舞われた2023年1月(当時全体の35%を削減)以来、2度目となる。

個人向け取引からB2B・機関投資家インフラへ注力

今回のリストラは、単なるコストカットにとどまらず、事業戦略の抜本的な見直しと連動している。

同社は従来の個人投資家向け取引ビジネスへの依存を減らし、金融機関やフィンテック企業、通信会社等に対して暗号資産の流動性やウォレット基盤、コンプライアンスを提供する「B2B・インフラ事業」へリソースを急速にシフトさせている。

すでに南アフリカのディスカバリー銀行との提携を開始しているほか、現地通貨建てステーブルコイン(ZARU)の発行プロジェクトなど新興国市場における金融インフラの構築を進めており、年内にはさらなる新規パートナーシップの発表も予定されている。

暗号資産業界全体に波及する再編と人員削減の波

Lunoの決定は、業界全体を覆う構造改革の一環と言える。現在、個人投資家の取引活動が停滞する一方で、多くの暗号資産関連企業がAI導入や業務自動化による効率化、そして機関投資家向けビジネスへの転換を進めている。

業界のデータによると、7月だけでも12社以上の暗号資産関連企業が組織再編や人員削減を実施した。これまでにコインベース(Coinbase)やクリプトドットコム(Crypto.com)、ブロック(Block)といった主要企業がAI(人工知能)転換や市場環境の変化を理由に大幅な削減を実施したほか、ウォレット開発のExodus(エクソダス)やブロックチェーン基盤を提供するGnosis(グノーシス)なども相次いでリストラを発表している。

また、一部の老舗取引所が事業終了に追い込まれるケースも出ており、暗号資産市場は今、かつてない大規模な業界再編の局面を迎えている。