ミャンマー議会が重大サイバー詐欺への厳罰化を承認
ミャンマーの軍政下にある議会は、オンライン上の犯罪行為に対して世界最高水準の厳しい罰則を科す「反オンライン詐欺法案」を可決したことが明らかになった。
今年(2026年)5月の草案発表を経て審議が進められてきたこの法案だが、議員の証言によると重要な骨組みは変更されることなくそのまま承認された模様だ。
今回の法改正により、人身売買や監禁、暴力などの残虐な手口を用いて人々を詐欺拠点に送り込み、結果として被害者を死亡させた者には最高刑である死刑が科される。また、犯罪拠点の運営者や悪質な暗号資産(仮想通貨)詐欺を行った主謀者に対しては終身刑が設定され、関与の度合いに応じて最低10年以上の有期刑から終身刑までの重罰が下される規定となっている。
国境地帯で深刻化する人権侵害と詐欺の温床
新法制定には、国際社会からの強い批判と圧力があり、なかでもタイとの国境近くに位置するミャワディ周辺では、大規模なサイバー犯罪拠点が急増。偽の投資勧誘や恋愛感情を利用するロマンス詐欺(豚屠殺詐欺)、資金洗浄などの不正行為が横行してきた背景がある。
これらの施設では、高収入な求人案内などで騙されて集まった世界各国の被害者たちが、パスポートを奪われ暴力で支配されながら強制的に詐欺行為に従事させられている。さらに、送金手段としてビットコイン(Bitcoin/BTC)やテザー(Tether/USDT)ステーブルコインをはじめとする暗号資産が悪用されており、追跡の難しさが被害拡大に拍車をかけている。
膨れ上がる被害額と国際社会の警戒
UNODC(国連薬物犯罪事務所)の推計によると、ミャンマーやカンボジアをはじめとする地域発のオンライン詐欺による年間被害額は、1,000億ドル(約16.37兆円)規模に達するとみられている。
FBI(米連邦捜査局)も暗号資産を狙った詐欺を極めて深刻な脅威として警告しており、米国単体でも年間数百億ドル単位の経済的損失が報告されている。
現政権下で可決されたこの厳罰化法案が、実際にどれほど実効性を持ち、国際的なサイバー犯罪組織の解体に繋がるのか、今後の運用と捜査の進展が注視されている。
























