米・SECとCFTC、ビットコイン・XRP含むデリバティブ全体の「ポートフォリオ証拠金統一化に向け意見募集

米国SECとCFTCがポートフォリオ証拠金統一化に向け共同で意見募集

米国の二大金融規制当局であるSEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)が、暗号資産デリバティブ市場の急速な拡大を受け、「ポートフォリオ証拠金(クロスマージン)」の導入や見直しについて、共同でパブリックコメントの募集を開始した。

現在、米国の金融規制はSECが証券や証券ベースのスワップを、CFTCが先物や商品デリバティブを管轄する縦割り構造となっている。しかし、暗号資産取引所やブローカーが双方の市場をまたいで事業を広げる中、規制の重複が効率性を損なっているとの指摘がある。

今回議論の中心となっている「クロスマージン」は、個々の口座や商品をバラバラに管理するのではなく、複数のポジション全体のリスクを相殺して証拠金を計算する仕組みである。これにより、投資家はリスク回避されたポジションに対して過剰な担保を差し入れる必要がなくなり、資金効率が大幅に向上する。募集に際し、SECのポール・S・アトキンス(Paul S. Atkins)委員長は次のように語っている。

クロスマージンは口座間に滞留している流動性を解放し、イノベーションを阻害する管轄権の重複を防ぐ明確な機会になる。

また、CFTCのマイク・セリグ(Mike Selig)委員長も、強固なリスク管理を維持しつつ「資本の解放」につながると期待を寄せている。

背景にある「無期限先物」の台頭

今回の動きは、米国市場における暗号資産デリバティブ、無期限先物取引(パーペチュアル)の相次ぐ承認と普及が背景にある。

具体的に、Kalshi(カルシ)は、CFTCからビットコイン無期限先物の提供承認を取得。Coinbase(コインベース)は、提携するDeribit(デリビット)を通じて、米国の適格機関投資家向けに無期限先物へのアクセスを提供。さらに、Kraken(クラーケン)も、買収したBitnomial(ビットノミアル)プラットフォームを介して、規制対象の無期限先物サービスを開始している。

こうした新商品の登場により、従来のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)による先物以外にも選択肢が広がっている。一方で、CFTCのセリグ委員長が「無期限先物は農業などの伝統的な商品市場には自然には適合しない」と語っているように、既存の規制枠組みをどう適応させるかという課題も浮き彫りになっているのが実情だ。

先物か、スワップかを巡る法廷闘争

無期限先物の性質をめぐる業界内の対立も表面化しており、大手取引所のCMEグループは、満期日のない無期限先物は「先物」ではなく「スワップ」として分類されるべきだとして、承認を行ったCFTCを相手取り連邦訴訟を起こしている。

CME側は、スワップとして扱われれば、より厳格な証拠金取引やディーラーとしての義務が課されるため、公平な競争環境やリスク管理の観点から厳格化が必要だと主張。対するCFTCは、満期がないことだけを理由に先物商品から除外されるわけではないと反論しており、この分類論争がパブリックコメントの議論にも影を落としている。

今回の共同意見募集は、直ちにビットコイン(Bitcoin/BTC)やXRPの先物に関する新ルールを制定するものではない。しかし、トークン化証券や暗号資産デリバティブが伝統的市場とブロックチェーン市場の境界線を曖昧にしつつある今、両機関の管轄権を明確にし、次世代の清算慣行や顧客保護ルールを策定するための重要な基盤となる。

なお、連邦官報への掲載後60日間にわたり、市場参加者からの幅広いアイデアが集められる予定だ。

 

ABOUTこの記事をかいた人

NEXT MONEY運営です。 「話題性・独自性・健全性」をモットーに情報発信しています。 読者の皆様が本当に望んでいる情報を 日々リサーチし「痒いところに手が届く」 そんなメディアを目指しています。