SBIがビットバンクを約3億ドルで買収へ、運用資産1兆円突破で国内最大級の暗号資産勢力が誕生

SBIがビットバンクと買収合意で完全子会社化へ

日本の金融コングロマリットであるSBIホールディングスは、国内暗号資産取引所「ビットバンク」を総額467億円で買収し、完全子会社化することで合意した

この買収は2026年8月から段階的に開始され、創業者などの個人株主からの株式取得を皮切りに、10月末までに既存株主であるMIXIやCeresの保有株も含めてすべての手続きを完了する予定だ。なお、ビットバンクが現在提供しているユーザーアカウントや取引サービスは、買収後も中断することなくそのまま継続される。

SBIグループは近年、国内デジタル資産事業の再編を急速に進めており、2026年初頭にはSBI VCトレードがビットポイントジャパンを吸収合併したばかりだ。今回のビットバンク買収により、グループ全体の暗号資産口座数は約292万件へと膨れ上がる。さらに、統合後の預かり資産=運用資産総額は約1.1兆円に達する見込みだ。これは、競合他社であるビットフライヤー(2025年末時点で約9,600億円)やコインチェック(2025年3月末時点で約8,000億円)を上回り、顧客資産規模において日本最大級のプラットフォームが誕生する。

金融機関が取引所を買収する動きは、単なる顧客基盤の拡大に留まらない。SBIが持つ銀行、証券、決済などの強力な既存ネットワークとビットバンクが融合することで、運営コストの削減や、カストディ(資産保管)体制の強化、機関投資家向けサービスの拡充といったシナジーが期待されている。将来的な暗号資産ETF(上場投資信託)やトークン化資産の解禁を見据え、法規制の厳しい日本市場において圧倒的に有利なポジションを確保する狙いだ。

リップル社との連携強化とステーブルコイン戦略

今回の買収劇の背景には、SBIが長年パートナーシップを結ぶブロックチェーン企業・リップル(Ripple)社との戦略的な関係深化がある。

SBI VCトレードは、米ドルや短期国債を裏付けとするリップル社のステーブルコイン「Ripple USD(RLUSD)」を、日本の決済サービス法に基づく「外国発行ステーブルコイン」として国内で正式にローンチ。RLUSDはXRP Ledger(XRPL)上でネイティブに発行されており、オンチェーンでの保有量はイーサリアム(Ethereum)ネットワークをしのぐ規模に成長。これにより、今後流動性を求める世界中の機関投資家や取引所がXRP Ledgerのインフラを統合していく可能性が高まっている。

さらにSBIは、国内発のステーブルコイン開発にも余念がない。スターテールグループとの提携により、SBI新生信託銀行が発行する円担保型ステーブルコイン「JPYSC」を始動。現在は内部決済用として活用されているが、将来的にはパブリックチェーン上での流通も視野に入れている。これに連動し、SBI新生銀行では預金利息の20%相当をビットコイン、イーサリアム、XRPと交換可能なバウチャーで還元する試験運用を開始するなど、伝統的な銀行顧客をデジタル資産エコシステムへ誘い込む施策も強めている。

暗号資産、ステーブルコイン、そして既存金融の融合を猛スピードで進めるSBIグループ。今回のビットバンク買収は、同社が日本のWeb3およびデジタル決済のインフラを覇道へと導く決定打となるかもしれない。

 

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