米国のミシガン州デトロイトに拠点を置く大手自動車メーカー「ゼネラルモーターズ(通称:GM)」は29日、ブロックチェーンを使用したシステム開発を目的として、米国特許商標庁に特許出願を提出したことが明らかとなった。
自動車メーカーであるGMは、複数のエンティティ(物体・もの)間の車両操作に関するデータ交換のため、ブロックチェーンを使用したデータベースの構築とシステム開発に乗り出す方針である。
米国特許商標庁に提出された特許出願では、自家用車が全てのデータを分散元帳(ブロックチェーン)技術を使用したデータに記録され、GM Global Technology Operations LLCが作成した文書では、保管されるデータはす全てブロックチェーンで容易に共有。また、安全に保管できると述べている。
ブロックチェーンと車の融合とは?
米国特許商標庁に提出された今回の文章では、ブロックチェーンをどのように活用できるかを次のように説明している。
ブロックチェーン技術は金融分野での使用に関連しているが、非金融分野でも活用することができ、今回の場合は自律的で非自律的な技術での利用に適している。この方法およびシステム構築に関しては、複数のエンティティ間の車両操作に関連するイベント情報を配信するためのブロックチェーンを使用する。
この方法は、車両操作に関連するイベント情報を配信するためにブロックチェーン交換に参加する複数のエンティティ間でブロックチェーン契約を実行することを含み、ブロックチェーン交換はイベント情報を格納するデータブロックのブロックチェーンを有する複数のデータベースを含む。
また、ブロックチェーンをベースとしたシステムの構築については、そのほかのユースケースとしてナビゲーションにも役立つと説明しており、「ナビゲーションルで使用するために参加者の車両間で相互運用可能な情報共有を行うために、オンラインブロックチェーン元帳内の地域内の車両の位置情報および密度を提供することが望ましい。」と述べている。
これらのブロックチェーン技術の応用により、自動運転を可能にした車の開発に期待が高まっている。これは、自動運転のデータシステムの情報の共有やシステムへのハッキング対策の強化が期待できるとのことだ。
フィンテック以外の特許
金融分野以外にも特許の出願や、ブロックチェーンに前向きな企業は増え続けている。
世界最大のスーパーマーケットチェーン「ウォルマート」は今年7月、ブロックチェーンを活用した配送管理システムの特許を申請し、配送管理システムに向けて指定ロッカーに商品を配送し、購入者が取り出すまで保管するといった、ブロックチェーンが活用された管理システムを目指している。