バーレーン中央銀行とJPモルガンがCBDCパイロットへ
バーレーン中央銀行(CBB:Central Bank of Bahrain)は、安全かつ効率的な決済ソリューションのための顧客体験を改善するため、JPモルガンおよびABC銀行とのデジタル通貨のコラボレーションを発表し、CBDCにまで展開する可能性があると述べていることが分かった。
バーレーン王国政府は、米国の投資銀行であるJPモルガンとのコラボレーションを発表。CBDC(中央銀行の発行するデジタル通貨)決済のパイロットを行っていることを正式に発表した。バーレーン中央銀行は5月11日(火曜日)、デジタル通貨技術に基づく国境を越えた即時決済ソリューションを導入するため、JPモルガンとアラブ銀行会社BSC、ABC銀行と協力していることを発表。
新しいデジタル通貨パイロットは、決済処理時間を短縮することを目的としており、バイヤーとサプライヤーからの支払いのため、バーレーン間で米ドルの送金を含んでいる。この発表の中で同中央銀行は、コラボレーションがCBDCにまでプロジェクトを拡大させて進めることができると強調しており、CBBのラシード・アル・マラジ(Rasheed Al-Maraj)総裁は次のように述べている。
JPモルガンとABC銀行によるこのパイロットを通じ、従来の国境を越えた決済分野に今日存在する非効率性と問題点に対処することを目指しています。
仮想通貨オニックスに焦点を当てる
JPMorganのアリ・ムーサ(Ali Moosa)ホールセールペイメント担当副会長は、新しいコラボレーションに、オニックス(Onix/ONX)として知られる同社のデジタル通貨に焦点を当てた部門が関与している事を明かした。
2017年に試験運用されたこのオニックスは当初、Interbank Information Networkと呼ばれていたものの、2020年10月にLiinkとしてブランド名が変更されている。
JPMorganは、国境を越えた支払いに関して世界の管轄区域と協力するために、ブロックチェーンテクノロジーの専門知識を積極的に推進した事業展開を実施している。NEXTMONEYの特集記事「JPモルガン、DBS銀行、テマセクが新たな決済プラットフォームを設立」で報じているが、4月下旬にJPモルガンは、DBS銀行、シンガポール政府所有のTemasek(投資会社テマセク)が協力し、新しい共同決済ベンチャーを設立。グローバル決済と銀行間取引に焦点を当てた新しいブロックチェーンベンチャーを立ち上げている。