ジェレミー・アレール氏が人民元建てステーブルコインの可能性に言及
Circle(サークル)の共同創業者兼CEOであるジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏が、人民元に裏付けられたステーブルコインには世界的に大きな可能性があるとの見方を示した。
デジタル通貨が国際貿易や金融に深く組み込まれていく中で、人民元建てステーブルコインは中国にとって通貨の国際利用を広げる有力な手段になり得るという立場だ。一方で、中国は無許可のオフショア人民元ステーブルコインを違法な金融活動と位置付けており、国家主導の電子人民元を優先している。期待と規制が交錯する構図が鮮明になっている。
人民元建てステーブルコインを通貨競争の武器と位置付ける
アレール氏は香港で、ステーブルコインは通貨を「輸出」する最も簡単な方法の一つだと語り、中国が人民元の国際的な存在感を高めるうえで有効に機能する可能性があると指摘した。
国境を越えた決済をより速く、より円滑にする仕組みとして、人民元建てステーブルコインは今後3年から5年の間に現実味を帯びる可能性があるという見通しも示している。こうした発言の背景には、米ドル建てステーブルコインが市場をほぼ独占している現状がある。Outlier Venturesによれば、法定通貨建てステーブルコインの99.8%をドルペッグ型トークンが占める見通しだ。
CircleのUSDCも、2025年末までに流通額が753億ドル(約12兆円)に達したとされる。アレール氏は、通貨競争は技術競争の性格を強めているとし、人民元にも競争力のあるデジタルな受け皿が必要だとの考えを示した。
中国本土の規制と香港の制度整備が対照をなす
一方で、中国本土は民間主導の人民元ステーブルコインに対して慎重な姿勢を崩していない。中国人民銀行などは、無許可のオフショア人民元ステーブルコインの発行を違法な金融活動と位置付け、国内では仮想通貨取引とマイニングの禁止措置も維持している。
こうした方針は、民間発行のデジタル通貨よりも、中国政府が管理する電子人民元を優先する姿勢と一致している。その一方で、香港ではステーブルコインを巡る制度整備が進み、規制下での発行を支える枠組みが整いつつある。ソースでは、HKMA(香港金融管理局)が公式ライセンスの発行を開始し、オフショア人民元建てステーブルコインの実用化を後押しする環境が広がっていることも紹介されている。
アレール氏は、こうした動きが人民元の国際化を進める好機になり得るとみており、人民元建てステーブルコインは米ドル中心の決済網に代わる選択肢を求める地域で存在感を強める可能性がある。
























