トークンの凍結と投票構造への批判が強まり、WLFIの統治体制に疑念が広がっている
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と関係のある仮想通貨プロジェクト、WLFI(World Liberty Financial)を巡り、トロン(Tron/TRX)創設者のジャスティン・サン(Justin Sun)氏が同プロジェクトのガバナンス提案を強く批判している。
サン氏は、提案に反対した保有者のトークンが無期限にロックされ得る仕組みを問題視し、これを「最もばかげたガバナンス詐欺の一つ」と表現した。WLFIはロックアップ期間の再設計とトークン供給の調整を通じて長期的な参加を促す狙いを示しているが、投票の公平性や資産管理の透明性を巡る懸念が拡大している。
WLFI提案に強制性があるとしてサン氏が反発
論争の中心にあるのは、WLFIが提示したトークン配布条件の見直し案で、創業者やチーム、アドバイザー、パートナー、機関投資家などが保有するトークンに対し、一定期間のロックアップ後に段階的な権利確定を適用する仕組みが示された。
早期支持者に対しても別の権利確定スケジュールが用意されているが、新たな条件を受け入れない場合は既存条件のまま無期限にロックされる構造となっている。サン氏はこの仕組みについて、実質的に反対票を投じる保有者への罰則だと主張した。
提案を拒否した場合に明確な解除手段がないままトークンが拘束されるため、自由な意思決定に基づく投票ではなく、賛成を強いる構造になっているという立場だ。さらに、自身を含む一部保有者のトークンが凍結され、議決権を持ちながら投票に参加できない状況も続いているとして、ガバナンスそのものが成立していないと批判している。
凍結措置と管理権限への疑念が対立を深める
サン氏の批判は、単なる提案内容にとどまらない。彼はWLFIのスマートコントラクト管理権限が匿名のマルチシグネチャーグループと単一の匿名アカウントに集中していると主張し、保有者のブラックリスト登録や投票結果の覆しが可能な構造になっていると訴えている。
これについてサン氏は、分散型ガバナンスを掲げながら実態は中央集権的な管理に近いとして、WLFIを「DAOの仮面をかぶった独裁政権」と断じた。今回の対立の背景には、サン氏によるWLFIへの巨額投資と、その後の資産凍結問題もある。サン氏はWLFIに7,500万ドル(約119.4億円)を投じた最大級の支援者の一人であり、関連報道ではトランプ関連資産への総投資額が1億9,000万ドル(約302.4億円)に達したとされる。だが、WLFIトークンを巡っては、送金後にウォレットがブラックリスト登録され、売却や送金、ヘッジができなくなったと説明している。
こうした経緯を受け、一部投資家の間では法的措置を検討する動きも出ており、WLFIの統治体制と財務運営を巡る圧力はさらに強まりそうだ。
























