OFACが6個人2社を指定し米企業を狙う偽装就労を摘発
OFAC(米国財務省外国資産管理局)は2026年3月12日(木曜日)、北朝鮮によるIT詐欺計画に関与したとして個人6名と企業2社を制裁対象に指定した。
対象者は盗用した身分証明書や偽名を用いて米国を含む海外企業にリモート就労し、得た賃金や仮想通貨を北朝鮮政府へ還流させる仕組みに関与していたとされる。当局によると、こうした活動で得られた資金は大量破壊兵器および弾道ミサイル開発計画の資金源となっていた。2024年には約8億ドル(約1,273.6億円)が不正に得られたという。スコット・ベセント(Scott Bessent)財務長官は、北朝鮮政権が海外のIT工作員による欺瞞的な手口で米国企業を標的にし、機密データを悪用して金銭を強要していると述べた。
偽装就労と仮想通貨資金洗浄の実態
北朝鮮のIT工作員は偽造書類や盗んだ個人情報を使い、国際的な契約プラットフォーム上でフリーランスの開発者やエンジニアを装って活動していた。
賃金の大半は政権に没収され、軍事計画に充てられていたとされる。資金の移動と隠蔽(いんぺい)には仮想通貨が利用された。仲介者はデジタル資産を現金化したり取引を重ねて出所を隠した上で、政権関連口座へ送金していたという。
制裁対象には北朝鮮のIT企業アムノクガン技術開発会社が含まれる。同社は海外のIT技術者グループを管理していた。ベトナムではグエン・クアン・ベト(Nguyen Quang Viet)氏が約250万ドル(約4億円)相当を仮想通貨に両替するのを支援したとされる。ラオスでは北朝鮮国籍のユン・ソン・グク(Yun Song Guk)がフリーランスのITチームを運営し、7万ドル(約1,100万円)を超える取引を監督していた。
また、ド・フィ・カン(Do Phi Khanh)とホアン・ヴァン・グエン(Hoang Van Nguyen)は、制裁対象となっている北朝鮮の核開発関係者である金世恩の資金移動や銀行口座開設を支援したとされる。ド・フィ・カンは20万ドル(約3,180万円)を超える偽造タバコ取引にも関与していた。
資金源断絶へ米国が制裁を強化
今回の措置により、指定された個人および企業の米国内資産は凍結され、米国人との取引は原則禁止となる。違反した場合は高額な罰金や刑事責任が科される可能性がある。
Chainalysis(チェイナリシス)によると、北朝鮮のハッカーは2025年だけで20億2,000万ドル(約3,215.8億円)相当の仮想通貨を盗み、世界全体の仮想通貨盗難のほぼ60%を占めたという。北朝鮮は攻撃回数を減らす一方でより大規模な標的を狙う傾向があるとされ、企業や国際的なパートナーには警戒強化が求められている。
米国は制裁強化を通じて、北朝鮮が国際制裁を回避し軍事計画の資金を確保する仕組みを断ち切る姿勢を鮮明にしている。
























