ジェミニがNifty Gatewayを閉鎖しスーパーアプリ戦略へ本格移行する

老舗NFTプラットフォームの閉店を象徴するアニメ調イラスト。NFTの看板が掲げられた店が「CLOSED」になり、周囲にデジタルアート風NFTが散らばっている情景。

NFT市場の縮小が続く中、主要プラットフォームの運営終了が決まり事業再編が進む

ジェミニ(Gemini)傘下のNFTマーケットプレイス「Nifty Gateway」が、2026年2月23日に運営を終了する。

すでに出金専用モードへ移行しており、ユーザーは米ドルやイーサリアム(Ethereum/ETH)、NFT(非代替性トークン)をプラットフォーム外へ移管する手続きが求められる。今回の決定により、ジェミニはワンストップ型スーパーアプリの構築に重点を移し、今後はジェミニウォレットを通じてNFTをサポートする方針を示した。

Nifty Gatewayが果たした役割と閉鎖までの経緯

Nifty Gatewayは2020年にデジタルアート分野の先駆けとして登場し、BeepleやPak、CryptoKittiesをはじめとする著名クリエイターによる限定ドロップを扱うプラットフォームとして成長した。

ジェミニは2019年末に同社を買収し、NFT市場への参入を進めた。2021年にはBeeple作品が660万ドル(約10億円)で落札され、NFTアートブームを象徴する出来事として記憶されている。この時期にはエミネムやグライムス、ザ・ウィークエンドなど著名アーティストの作品も販売され、市場の拡大に貢献した。

一方で、2022年以降の市場低迷を背景に、Nifty Gatewayの事業環境は大きく変化した。2023年初頭には創業者のコック・フォスター兄弟が退任し、2024年には「Nifty Gateway Studio」として再編を進めるなど、事業の方向性を見直す段階に入っていた。今回の閉鎖に際して、ユーザーには出金手続きの案内メールが送付され、ジェミニアカウントやStripeを通じた資金移動が可能とされている。

NFT市場の縮小と競争環境の変化が浮き彫りになる

同プラットフォームは、クレジットカード決済に対応したカストディ型モデルを採用し、仮想通貨に不慣れなユーザーでもNFTを購入しやすい環境を整えてきた。

しかし、市場全体が分散型取引モデルへ移行し、アバターベースのコレクションが主流となる中で、利用者の流れは次第に変化し、プラットフォームの存在感は縮小していった。

NFT市場の縮小はデータにも表れている。CryptoSlamによれば、2025年第4四半期の取引量は12億5,000万ドル(約1,929億円)となり、前期比で28%減少した。12月の売上高も約3億ドル(約463億円)まで落ち込んでいる。The Block Researchは2025年の年間取引量を約55億ドル(約8,485.5億円)とし、2022年のピーク時に500億ドル(約7.7兆円)を超えていた市場規模から大きく後退していることがわかる。

こうした変化は他のプラットフォームにも波及し、Kraken、LG Art Lab、X2Y2などが相次いで撤退を決めた。OpenSeaも2025年にマルチチェーン取引へ軸足を移し、事業モデルの再構築を迫られている。Nifty Gatewayの閉鎖はこの流れを象徴するものであり、ジェミニはスーパーアプリ構想へ注力するための事業整理として今回の決断に踏み切った。

 

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム