キプロス証券取引委員会、FTX Europeの停止を2025年5月まで延長

キプロスSECがFTX EUの停止を2025年5月まで延長

キプロスSEC(Cyprus Securities and Exchange Commission:キプロス証券取引委員会)は、FTX EU(FTXヨーロッパ)の投資会社ライセンスの停止を延長し、同取引所がサービス提供や新規顧客受け入れを禁止したことが分かった。

2024年11月5日(火曜日)付けの通知で、キプロスSECは、FTX EUの停止をさらに6カ月延長した事を発表。当局がFTX EUの停止を延長したのは、2022年11月11日の最初の停止以来4回目で、これは米国のFTXが破綻した時期とほぼ同じ時期であり、仮想通貨取引所の破綻から2周年を迎える数日前に、FTX EUの停止延長を決定しており、停止期間は2025年5月30日まで延長された。この停止が解除されるまで、同社は投資サービスや活動の実施、新規ビジネス取引への参加、新規顧客の受け入れ、投資サービスとしての宣伝を禁止されているが、当局はFTX EUに取引を完了し、資金と金融商品を顧客に返却する許可を与えている。

通知によると、キプロスSECは、現在施行されている投資および規制市場法に準拠するために必要な手順を進める時間を与えるため、FTX EUの停止を延長しており、停止によってFTX EUの公式サイトでは取引オプションが提供されなくなり、ユーザーはログインして残高を確認したり、引き出しをリクエストができなくなった。

停止期間の延長は今回で4度目

FTXがデラウェア州で2022年11月に破産を宣言した後、キプロスSECは「管理機関メンバーの適格性」と顧客資産を保護する必要性を理由に、FTX EUに対するライセンスを停止させており、今回の停止期間の延長は4度目となる。

FTX EUはかつてDigital Assets AGというスイスのスタートアップ企業であったが、2021年にFTXが3億2,300万ドル(約497.4億円)で買収した際に社名をFTX EUに変更。2022年にキプロスSECから承認を受けて間もなく、FTX EUはスイスの本社に加えてキプロスに地域本部を開設している。

大手メディアロイターの報道によると、FTXの再編チームは、FTX EUの買収に費やした資金の一部を取り戻そうとしており、買収価格は“莫大な過払い”であると主張したものの、元所有者からの反訴となり、最終的には、買収価格のわずか10%強である3,270万ドル(約50億円)でFTX EUを元の創設者に売却することで紛争を解決している。