FTX創設者サム・バンクマン・フリード氏が再び拘束
FTX創設者サム・バンクマン‐フリード（Sam Bankman-Fried）氏は保釈審問で証人に影響を与えようとした疑いが濃厚となり、拘置所で裁判を待つよう命じられたと米国の地方メディアが報じたことで明らかとなった。
ルイス・A・カプラン（Lewis A. Kaplan）連邦地方判事がこの決定を下したのは、検察側が、重要証人の個人的な書き込みをジャーナリストに開示するなど、バンクマン・フリード氏が嫌がらせ戦術に従事していたことを示唆する証拠を提出した後に下されている。バンクマン‐フリード氏は、2022年12月にバハマから身柄を引き渡されて以降、カリフォルニア州パロアルトの両宅で軟禁。投資家を詐欺し、FTX取引所を通じて数百万ドル相当の仮想通貨を流用した罪で起訴されている同氏は、インターネットや電話へのアクセスが制限されるなど、厳しい保釈条件の下で活動していた。
検察側はエリソン氏の私文書掲載が条件に違反と主張
検察側は、バンクマン・フリード氏が、元恋人でFTXの取引部門であるアラメダ・リサーチのキャロライン・エリソン（Caroline Ellison）元CEO（最高経営責任者）の私文書をニューヨーク・タイムズに提供したことで、これらの条件に違反したと主張した。
彼らは、この行為はエリソン氏の評判を「汚す」試みであり、今後の裁判で陪審員に影響を与える可能性があると主張。エリソン氏自身もすでに刑事告訴を認めており、バンクマン・フリード氏に対して証言することに同意している。バンクマン・フリードの法務チームはこれらの主張に反論。ニューヨーク・タイムズ紙が掲載した記事はエリソン氏を同情的に描いており、顧客の意図が誤解されていることが示唆されていると主張している。また、検察がバンクマン・フリード氏を投獄するために状況証拠と実質的でない事実に依存していると批判。なお、バンクマン・フリード氏を含む裁判関係者が公の場でコメントすることを禁止する緘口令が敷かれている。
エリソン氏の役割に関する国民の関心の重要性
報告書によると、この動きは米国憲法修正第1条の権利侵害の可能性と、この事件とエリソン氏の関与を理解することに対する国民の関心に対する懸念を引き起こしている。
ニューヨーク・タイムズ紙のデイビッド・マクロー（David McCraw）代理人弁護士は、報道の自由と詐欺計画疑惑におけるエリソン氏の役割に関する国民の関心の重要性を強調した。同代理人弁護士は、タイムリーで正確な報道の必要性を認識し、読者に公平で関連性の高い情報を提供するという同紙の取り組みを強調。法廷闘争が激化する中、国民の注目は依然としてバンクマン・フリード氏の裁判の結果に向けられている。同氏に対する容疑は、著名人の関与や複雑な仮想通貨の世界と相まり、デジタル金融の進化する状況におけるこの事件の重要性を浮き彫りにしている。
