仮想通貨取引所クリプトピア、裁判判決でユーザーへ預金資産を分配へ
ニュージーランドに拠点を置く仮想通貨取引所クリプトピアは、デジタル資産の所有権に関して取引所とユーザーの間で進行している訴訟問題について、資産の分配を決定する判決が下された。クリプトピアは2019年頭に大規模なハッキング被害にあい、破産手続きを開始していた。同社は損害額について「大きな損害」としか述べていないが、ブロックチェーンを分析している専門家は少なくとも1,600万ドル(約18億円)に上ると見ているようだ。
当時クリプトピアが取引サービスを停止した際ユーザーの出金も停止し、80万以上のアカウントに残っている残高を引き出すことができなくなった。今回進行中の訴訟では上記に加え39人の債権者と90人の株主も資産の払い戻しを求めているという。今回の訴訟はどのような資産をユーザーに分配するかが争点となっていたが、判決を下した高等裁判所のジェンダル判事は、デジタル通貨は個人の口座に保管されていた点から「財産」であると分類し、以下のように述べた。
「クリプトピアにある仮想通貨は、無形の個人資産の一種であり、明らかに価値のあるものであると認識できる結論に至った。仮想通貨は単なる情報であり、財産ではないという議論もあったが、それは単純化されたものであり、私の見解ではそれは間違いっている。」
裁判所によるとクリプトピアは現在1億100万ドル(約110億円)相当のデジタル資産を保有しているとのことで、取引所の公式清算人を務める会計事務所グラントソントンが資金分配プロセスを監督する。
法廷への提出書類によると、本訴訟の債権者は取引所の資金から320万ドル(約3億5千万円)相当の資金を受け取れる可能性があり、ニュジーランドの税務局は資産から納税金として290万ドル(約3億円)を求めているとのこと。具体的な分配時期やプロセスについてはまだ未定のままだ。