中国の経済ニュースであるLanjingerが伝えた内容によれば、インターネットサービス大手であるテセント(騰訊)社が運営するSNSサービスWeChat(ウィーチャット)は、仮想通貨及び、ブロックチェーンに関連しているアカウントを停止した。
WeChat関係者によると、1部のアカウントで仮想通貨トレードに関する「偽情報」を流したり、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)を行ったことが規定違反となっており、アカウントを停止したという。この規定は8月7日に中国サイバースペース管理局が導入したものであり、「インスタント・メッセージ・サービスにおいての公共情報の取り扱いに関する規定」と呼ばれている。
停止されてしまったアカウントの中には、Node Capital(ノードキャピタル)やDeepChain(ディープチェイン)等のトークン基金より支援を受けているJinseやHuobi News(フオビニュース)、Coin Daily(コインデイリー)等も含まれており、現在、停止されてしまったアカウントの過去の記事を見ることができなくなっている。
表示されるのは、このアカウントは禁止となったという内容のメッセージのみとなっており、メッセージには「利用者による異議申し立て及び、厳正なチェックを行った結果、当アカウントにおいての一時的な機能とコンテンツが禁止され、このアカウントの利用は不可能となっています。」と記されている状況だ。
現在、アカウントが停止となっている理由及び、停止されているアカウントの数は不明であるが、8月7日に中国政府が制定した、新しい規制によって何らかの影響を受けているとされている。
アカウントの停止を受けたメディアの関係者によれば、同社では今月7日の時点で中国国内のインターネット規制を取り仕切っている委員会より「新たな政策」の存在を知らされていたという。
今回のアカウント規制に関して、ネット上では中国の仮想通貨関連メディアによる「利益相反行為」に対する批判が絶たない。また一部の仮想通貨関連メディアが大手仮想通貨取引所との資本関係を背景に、ICO等のプロモーションに関る不正を行なっていたのではないかという疑いもある。
今年3月には中国国営メディアであるPeopl’s Daily(ピープルズデイリー)が中国のブロックチェーン及び、仮想通貨メディアを直接的に批判し、これらのメディアが「仮想通貨市場の操作を行っている。」と批判している。また注目すべき点としては、HuobiのCEOを務めるJun Du氏が、中国のブロックチェーンメディアにおける典型的な悪い例として、名指しで批判を受けている点である。
しかし、停止されたアカウントの関係者たちは、今回の騒動を楽観視しており、「アカウントが永久に停止されたとしても、データを移動し、新しく作り直せばいい。」と話す者もいるという。