WhiteBITがサウジアラビアと戦略提携し金融市場トークン化を推進

サウジアラビア国旗とビットコインを組み合わせた、金融市場のトークン化とCBDC開発を象徴するイラスト

金融市場トークン化とCBDC基盤開発で協力が進む

欧州の仮想通貨取引所WhiteBIT(ホワイトビット)は、サウジアラビアの民間投資企業Durrah AlFodah Holdingと戦略的提携を締結した。

今回の協力は、国家戦略「Vision 2030」の重点分野である金融市場のデジタル化を後押しし、株式市場のトークン化やCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)基盤の構築を含む国家的プロジェクトとして進められる。WhiteBITは技術的専門知識とインフラ設計を提供することが期待され、サウジアラビア側は規制面の支援と市場参入のサポートを担う。両者は事業運営に向けた合弁会社の設立も視野に入れており、国内デジタル金融エコシステムの整備が加速する見通しだ。

サウジアラビアが進めるVision 2030と金融市場トークン化の拡大

WhiteBITとDurrah AlFodahの提携は、国家戦略「Vision 2030」に沿って金融・技術分野のデジタル化を推進する取り組みの一環となる。

計画には株式市場のトークン化、仮想証券の導入、CBDCフレームワーク構築が含まれ、金融市場の透明性と流動性を高める基盤整備が本格化する。さらに、ブロックチェーン計算、データ処理、マイニングを行う大規模施設の整備も想定されており、同国のデジタルインフラ強化に直結する。

サウジアラビアではすでに複数のブロックチェーン活用事例が広がっている。トランプ・グループが関与するホテル開発プロジェクトのトークン化計画や、サウジ・アウワル銀行(SAB)が導入した世界初のブロックチェーン上でのイスラム・レポがその代表例だ。商務省の最新データでは、AI(人工知能)・ブロックチェーン領域の新規事業ライセンスが急増し、国内の関連企業は4,000社を超えている。こうした成長局面の中で、WhiteBITの参入はサウジアラビアの金融基盤を支える重要な要素となる。

WhiteBITが開始した上場支援プログラムが示す成長戦略

WhiteBITは今回の提携と並行して、新興プロジェクト向けの「独占上場オファー」を導入した。

このプログラムでは、取引所への上場コストを最大70%削減できるキャッシュバック制度が提供されるほか、上場後には市場分析ツールへのアクセスが可能となる。上場コスト削減と成長支援を同時に実現する設計が特徴で、プロジェクトは資金をエコシステム拡大や流動性向上に振り向けられる。

さらに、メディア露出、地域特化のPRキャンペーン、コミュニティ施策を組み合わせたマーケティング支援も行われる。ユーザー参加型の報奨金プログラムやトレーディングコンテストが導入され、取引量とユーザーエンゲージメントを高める仕組みが整う。取引ペア登録ユーザーにはステーキングや仮想通貨レンディングなどの優先サービスも提供される。

WhiteBITは世界で3,500万人以上のユーザーを持ち、900以上の取引ペア、350以上の資産を扱う大手取引所である。Visa、Fireblocks、ユヴェントスFCなど著名企業との提携実績を持ち、今回のサウジアラビア進出と上場支援プログラムの両輪でエコシステムの拡大と国際展開を進めている。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム