キャロライン・クレンショー氏の任期満了で委員会構成が転換点を迎える
SEC(米国証券取引委員会)で仮想通貨に慎重な姿勢を示してきたキャロライン・クレンショー(Caroline Crenshaw)委員が、5年間の任期を終えて退任した。
最後の民主党委員が職を離れたことで、SECの委員会構成は数年ぶりに共和党員のみとなり、仮想通貨規制を巡る環境に変化が生じている。
SECは2026年1月2日(金曜日)、クレンショー氏の退任を発表した。同氏は2020年8月に委員として就任し、SECでは10年以上にわたり勤務してきた。今回の退任は任期満了によるもので、再任を巡る動きは、上院銀行委員会が再指名に関する投票を取り消したことで事実上終了していた。退任に際し、ポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長とヘスター・パース(Hester Peirce)委員、マーク・ウエダ(Mark Uyeda)委員は共同声明を発表し、クレンショー氏が投資家保護と市場の健全性を重視しながらSECの使命に貢献してきた点を評価した。
一方で、委員の退任によりSECは定員5人に満たない体制で運営されることになり、後任が承認されるまでの間、現委員の判断が相対的に重みを持つ状況となっている。クレンショー氏はSECに残る最後の民主党委員だった。連邦法では、同一政党に所属できる委員は3人までと定められており、現在の共和党員のみの構成は暫定的なものと位置付けられる。
仮想通貨に慎重な姿勢を貫いた委員
クレンショー氏は在任中、仮想通貨を巡る議論において一貫して慎重な立場を維持してきた。
投資家保護と市場リスクを重視し、規制監督が十分でない状態で仮想通貨市場が拡大することに強い懸念を示していた。
ETF承認でも変わらなかった反対姿勢
2024年1月にSECがスポットビットコインETFを承認した際、クレンショー氏は唯一の反対票を投じた。
また、仮想通貨ETF(上場投資信託)や仮想通貨ETP(上場取引型金融商品)に関する複数の内部投票でも反対を続け、価格変動やセキュリティ上の懸念、規制の不備を理由に慎重な対応を求めてきた。
さらに、SECが2025年にリップルラボとの和解合意を申請した際にも、同氏は強い反対意見を表明し、仮想通貨執行体制の後退につながるとの見解を示している。任期終盤においても、トークン化証券やデジタル資産商品のリスクについて警告を続けていた。
委員会構成の変化が示す今後の焦点
クレンショー氏の退任後、SECは直ちに仮想通貨政策の変更を発表していない。
ただし、委員会の構成が変わったことで、今後の規則制定や執行判断において、仮想通貨に対するスタンスが変化する可能性がある。委員の人数が限られる状況では、個々の投票の影響力が高まる点も注目される。
仮想通貨規制を巡る議論が続く中、SECの判断は引き続き市場関係者の関心を集めることになりそうだ。
























