カザフスタン、大統領主導で国家仮想通貨準備金計画を加速

カザフスタンが推進する国家仮想通貨準備金を象徴する黄金のコインと近代的な建物を描いたイラスト

大統領が国家デジタル資産ファンドの設立と法整備を指示

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領は、2026年までに国家仮想通貨準備金を創設する方針を示し、国立銀行の投資部門を基盤とする国家デジタル資産ファンドの設立を指示した。

仮想通貨とトークン化資産を戦略的に保有し、本格的なデジタル資産エコシステムを早期に構築する考えである。

大統領は、同ファンドが新たなデジタル金融システムで有望な資産に焦点を当て、戦略的準備を積み立てると述べた。議会にはデジタル資産法の整備を加速するよう求め、2026年までの最終決定を目標に据えた。政府と国立銀行には、最大10億ドル規模のハイテク投資プログラムの策定を指示し、第二層銀行に実体経済への融資拡大を促した。

カザフスタンの法定通貨であるテンゲ(tenge)のデジタル通貨版となるデジタルテンゲは2023年に試験運用を開始し、2025年半ばから公共予算に導入された。国家基金の資金調達などで活用を広げ、今後は国全体で役割を拡大する方針である。

産業育成と地域戦略

大統領は、競争を促進し新規参入を呼び込む銀行法改正と、フィンテック推進や仮想通貨流通の自由化を掲げた。

カザフスタンは中央アジア初のスポット型ビットコインETF(上場投資信託)を導入し、アスタナ国際取引所でFonte Capital(フォンテ・キャピタル)が運用しBitGoがカストディアンを務める。マイニング分野では一時世界ハッシュレートの約13%を占めた実績があり、規制を段階的に緩和して販売先の拡大や仮想通貨カードの試験運用に踏み出している。

アラタウ市において、住民が日常決済で仮想通貨を利用できる環境を整える計画が示された。技術進歩と生活環境の融合を目指すモデルとして位置付けられている。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム