米国外交官が日本の仮想通貨取引所
米国の外交官は、ロシアと取引している仮想通貨取引所に対して、ロシアとの関係を断ち切るように圧力を強めたことが明らかになった。
フィナンシャルタイムズの報道によると、米国の外交官は日本に対し、ウクライナ紛争の中でロシアとの関係を断つよう、仮想通貨取引所やマイニング業者への圧力を強めるよう要請したとのこと。3つの取引所によると、日本の金融庁は、米国とその同盟国が世界経済からクレムリン(※クリムリン宮殿を差し、アメリカのホワイトハウスに位置するロシアの重要拠点)を孤立させようとしているため、管轄下のすべての取引所に対し、ロシアとの残りの関係を断つよう命じたとのこと。
これにより、日本でビジネスを行うためにライセンスされた31の仮想通貨取引所のうちのいくつか、および特定のマイナーがロシアでの操作を停止するように要求されたとのこと。
日本金融庁のガイドラインでは、すべての取引所は日本で仮想通貨関連サービスを提供するために登録する必要があり、7月12日時点で、国内には31の登録およびライセンスされた取引所がある。
日本の取引所や仮想通貨マイニング企業の中には、ロシアの事業を継続するために複雑な子会社ネットワークを構築しているところもあると、事情に詳しい関係者は述べている。2022年の3月に金融庁は、デジタル資産を日本の外国為替及び外国貿易法の適用対象とする新たなルールに基づき、制裁対象組織に属する資産の移動を監視するために動き出している。実際、日本は2月以降、ロシアに対して独自の制裁を課しており、同国の金の輸入禁止、特定の会計サービスの提供、ロシア資産の凍結などを行っている。
新規制ではロシア領内での取引を明示的に禁止するものではなかったが、一部の取引所はそのように解釈し、ロシアとの取引を中止。しかし、一部の取引所やマイニング事業者は、ロシア法人との取引関係を維持するため、斬新な戦略を採用しており、ある取引所は、シンガポールにシェル・コーポレーションを設立し、ロシアの取引先に資金を流していると報じられている。
一方で、シベリアのイルクーツク地方には、ヨシフ・スターリン(Joseph-Stalin)の支配下にあったソ連時代に建設された水力発電ダムが点在しており、当初は核兵器用のウラン濃縮に使用されていたが、現在は1キロワット時あたり0.0012ドルの住宅用電力としてマイニング業者に利用されているとのこと。