Twitter社がイーロン・マスク氏を提訴の意向
Twitter社の会長であるブレット・テイラー(Bret Taylor)氏は、合併契約を強制するため、世界有数の富豪である大手電気自動車メーカーTesla(テスラ)のイーロン・マスク(Elon Musk)創業者兼CEO(最高経営責任者)を提訴する意向を明らにした。
The Twitter Board is committed to closing the transaction on the price and terms agreed upon with Mr. Musk and plans to pursue legal action to enforce the merger agreement. We are confident we will prevail in the Delaware Court of Chancery.
— Bret Taylor (@btaylor) July 8, 2022
Twitterの取締役会は、マスク氏と合意した価格と条件で取引を完了することを約束しており、合併契約を実施するための法的措置を講じる予定です。私たちは、デラウェア州衡平裁判所で勝訴すると確信しています。
7月8日(金曜日)に提出された書類でマスク氏は、4月26日の合併契約に詳述されているように、Twitter社が同氏に対する契約上の義務を遵守していないため買収をキャンセルしたとのことだ。これに対してTwitter取締役会は、同氏と合意した価格と条件で取引を完了させることを約束し、合併契約を執行するために法的措置を取る意向を固めたとみられる。
というのも、7月8日に同氏は、当NEXTMONEYの特集記事「イーロン・マスク氏がTwitterの買収が保留になっている理由を説明」でも触れているように、Twitter社が数々の合併契約条項を破ったため、440億ドル(約5兆6,898億円)でのTwitter社買収入札をキャンセルすると発言している。マスク氏はTwitter社買収撤回の発言について次のように述べている。
Twitterは本契約の複数の条項に重大な違反を犯しており、本契約を締結する際に依拠した虚偽かつ誤解を招く表現を行ったと思われ、当社の重大な悪影響を被る可能性があるため、本契約を終了させることにしました。
契約上の重大な違反による買収中止
マスク氏が指摘する「契約上の重大な違反」について、米国に本拠を構える多国籍法律事務所Skadden Arpsのマイク・リングラー(Mike Ringler)弁護士に関しても、SEC https://www.sec.gov/ (米国証券取引委員会)の提出書類で公開された書簡の中で、Twitterが契約上の約束を破ったことを指摘している。
実際、マスク氏は2カ月近くに渡ってTwitterのプラットフォームにおける偽アカウントやスパムアカウントの普及について、独自の評価を行うために必要なデータや情報を求めてきた。同氏氏によるこれら発言の裏には、Twitterが同プラットフォームのアカウントの5%が偽物であるという推定を発表しており、スパムや偽のアカウントが実際にユーザーの5%未満を占めているという計算を裏付ける詳細を必要としていた。そのため、2022年5月17日(火曜日)には、スパムや偽アカウントの問題が処理されるまでは、買収契約を進めることはできないとツイートしている。
しかし、書簡にはマスク氏がプラットフォームに対して特定の情報を複数回要求したものの、スパムアカウントの普及状況を明らかにするための満足のいく回答が得られなかった経緯が詳細に記されている。一方で、テスラの経営陣とソーシャルメディアネットワークTwitterの間の長期的で複雑な戦いの最近の進展の背景には、同氏が買収合意を破るかもしれないという兆候があったとされている。