香港のステーブルコイン発行ライセンスに77社が関心
HKMA(Hong Kong Monetary Authority:香港金融管理局)によるステーブルコイン発行企業募集は、現代のゴールドラッシュを巻き起こし、77社の多様な企業が参入を表明している。
2025年9月1日(月曜日)付の現地メディアの報道によると、HKMAは8月31日の期限までに、今後導入されるステーブルコイン発行企業のライセンス制度に対し77件の関心表明を受けたことが確認された。しかし、規制当局は市場の安定確保を目指し、“真に実現可能なプロジェクト”と“単なる志願者”を選別するための、慎重な選別プロセスに着手した。
有力候補のいくつかは、新法の施行前にすでに意向を表明していた。応募企業は、広く認知されている企業だけではなく、従来型の銀行、大手決済サービス会社、資産運用会社、Web3系スタートアップ企業など、幅広い企業が参加し、参加を競い合っている。
なお、HKMAは、申請者の名前を公表しておらず、関心表明は単なる第一歩に過ぎず、承認を保証するものではないと断言している。
大物企業も参入の香港ステーブルコイン市場
先にも述べているように、HKMAは公式申請者リストを公開していないものの、これまでの報道では、大物企業が名を連ねていることが示唆されている。その中にはスタンダード・チャータード銀行のような世界的な金融機関から、アント・グループのようなフィンテック大手まで多岐にわたる。
申請者として濃厚とみられているのが、エネルギー大手ペトロチャイナ(PetroChina)のような国有企業の関与で、同社は、クロスボーダー決済におけるステーブルコインの利用に関する実現可能性調査を公表している。
ステーブルコイン条例は8月1日に施行されたが、関心の高まりにもかかわらず、香港のライセンス供給パイプラインは事実上凍結されており、HKMA側は承認について、2025年は難しいと明かしている。
現在、HKMAによって77件の関心表明を系統的に精査しているとみられており、このプロセスは厳格なフィルターとして設計され、ライセンスを最初に取得する機関が、技術的に優れているだけでなく、万全な準備金の裏付け、完璧なマネーロンダリング(資金洗浄)対策、運用上の回復力を備えていることを確認することに重点を置いているという。