インドのCoinDCX、コインベース(Coinbase)との10億ドル買収のうわさを否定

CoinDCXCEOがコインベースによる買収のうわさを否定

インドの仮想通貨取引所CoinDCXのスミット・グプタ(Sumit Gupta)CEO(最高経営責任者)は、米国に拠点を置く大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)が同社を10億ドル(約1,480億円)近くで買収するといううわさを否定した。

グプタ氏は、Xのアカウントを通じてうわさを否定し、根拠がないと述べている。

日本語訳:
今起きたらこのニュースを見ました!
うわさは気にしないでください!CoinDCXはインドの仮想通貨市場の発展に注力しており、売り出し中ではありません!後ほど詳しくお伝えしますが、念のため明確にしておきたいと思います!

同CEOの発言は、インドの現地メディアLiveMintが2025年7月28日(月曜日)に報じた内容を受けてのもので、同メディアは匿名の情報筋の話として、コインベースがCoinDCXの買収について「高度な協議」をしていると報じていた。しかし、同CEOの声明は、買収交渉は予定されていないことを明確にした。

きっかけはハッキング被害

NEXTMONEYの2025年7月21日付特集記事「CoinDCXでハッキング被害、約4400万ドル流出とCEOが認める」で報じたように、CoinDCXが7月18日に4,420万ドル相当のハッキング被害に見舞われていた。

今回の否定は、この被害に見舞われた数日後に行われている。盗まれた資産は、トルネードキャッシュ(Tornado Cash)やクロスチェーンブリッジなどのミキシングツールを通じてロンダリング(資金洗浄)されたことから追跡が困難になり、復旧作業も困難に。このハッキング事件は、2024年のワジールX(WaziriX)事件に続き、インドの取引所にとって新たな大きな打撃となった。

攻撃者は、別の取引所の流動性取引に連動する運用ウォレットに侵入。CoinDCXは、セキュリティ対策が講じられていたため、ユーザーの資金には影響がなかったことを確認。このハッキング被害を受け、同社は復旧報奨金プログラムを開始し、倫理的なハッカーに対し、インシデントからの復旧に貢献した資金の最大25%を報奨金として提供している。

一方でコインベースは、積極的にグローバル展開を拡大。コインベースは2022年にインド市場に参入したが、規制当局からの圧力を受けて撤退。しかし、3月にインドの金融情報機関(FIU)に登録しており、これはインドの仮想通貨市場への関心の高まりを示すシグナルと広く解釈されている。

今回の買収騒動は、コインベースが5月にDeribit(デリビット)を29億ドルで買収したことを受けてのもので、コインベースは収益性の高い仮想通貨デリバティブ市場への進出を果たし、プラットフォームのグローバルな成長を継続することができた、とCoinbaseの機関投資家向け製品担当副社長であるグレッグ・トゥサール(Greg Tusar)氏は発表の中で述べている。また、コインベースは7月にLiquifiを買収し、断片化された法的、税務、コンプライアンス上のハードル、規制上の問題など、オンチェーンビルダーによるトークンローンチの複雑さに対処することを目指した。

CoinDCXがうわさを否定したことは、断固とした姿勢を示唆しているものの、この決定が過小評価されたことへの反発から生じたのか、そもそもの話として、コインベースとの買収協議がなかったのかは不明だ。

CoinDCXのロゴと仮想通貨コインが並び、サイバー攻撃を暗示する緊張感のあるビジュアル

CoinDCXでハッキング被害、約4400万ドル流出とCEOが認める

2025.07.21

 

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