ベトナムが国家ブロックチェーンを導入
ベトナムは、ゼロ知識証明に基づく国家ブロックチェーンプラットフォーム「NDAChain」を正式に導入した。
ベトナム政府は2025年7月25日(金曜日)、拡大し続けるデジタルエコシステムの基盤と、さまざまな分野のデジタル取引と記録を検証する国家ブロックチェーンプラットフォームを立ち上げた。これは、デジタルインフラの近代化を図り、中国やEU(欧州連合)などの国々に倣い、主権ブロックチェーンネットワークを導入することを目的としている。
NDAChainは、国家ブロックチェーンの導入は、安全で透明性が高く、拡張性の高いデジタルエコシステムを支援するという政府の使命における大きな一歩であると述べている。
このNDAChainは、ベトナムのNDA(National Data Association:国家データ協会)によって開発され、公安省データイノベーション・活用センターによって運営、49の官民検証ノードからなるコンソーシアムによってサポートされている。許可制のレイヤー1ブロックチェーンであるNDAChainは、PoA(Proof-of-Authority:権限証明)に基づくコンセンサスメカニズムを採用し、ゼロ知識証明によってセキュリティが確保されている。
2026年までに全国展開の予定
発表によると、NDAChainは1秒あたり最大3,600件のトランザクションを処理でき、データ検証の基盤レイヤーとして機能し、ベトナムは2026年までに全国展開を実現する予定という。
発表では、このブロックチェーンが電子政府、金融、医療、物流、教育などの国家システムに「分散型の信頼レイヤー」を提供するとも述べており、国家データ協会の技術責任者であるグエン・フイ(Nguyen Huy)氏は、このネットワークは完全に分散化されているわけではないと述べたうえで、次のように語っている。
ベトナムは、中央集権型と分散型のコンポーネントを融合したハイブリッドなデータアーキテクチャを選択しました。NDAChainは、デジタル社会と経済にとって不可欠な、国のライブデータの保護レイヤーとして機能します。
集中型データシステムのボトルネックへの対処
ベトナムは2024年10月に国家ブロックチェーン戦略計画を発表し、政府は当時、このプラットフォームのビジョンには、ブロックチェーンを活用した法的枠組み、デジタルインフラ、イノベーションのための取り組みが含まれていると述べていた。
このより広範なプロジェクトは、2030年までに国家エコシステム全体への展開を網羅。政府は今後数カ月以内に、NDAChainの導入と国家データセンターへの統合を目指していき、タイムラインは2025年末で設定。その後、ベトナム政府は、ブロックチェーン・イニシアチブをすべての地方自治体と大学に段階的に拡大させる計画で、この計画は2026年末までに完了する予定とのことだ。