中国のビットコインASICメーカー、関税圧力により米国工場を建設

中国の3大ビットコインASICメーカーが米国に工場を建設

中国のマイニング大手、ビットメイン(Bitmain)、カナン(Canaan)、マイクロBT(MicroBT)は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の関税回避のため、米国工場を建設している。

ロイター通信が2025年6月18日(水曜日)、世界のビットコインマイニング向け特定用途向け集積回路(ASIC)の大半を生産するビットメイン、カナン、マイクロBTの中国ビットコインマイニングリグ製造大手3社は、米国でマイニングマシンを製造していると報道。これら3社は、世界のビットコインマイニングハードウェア生産の90%以上(報道によっては99%と報じられている)を支配しており、中国に留まるコストを負担するより、海を越えて生産拠点を移転することを決断した形だ。一方で、米国の当局者や企業は、中国製マイニングリグに対する国家安全保障上の懸念を表明している。

3社各社の現況

最初に動き出したのはビットメインで、同社は2024年12月、トランプ大統領が大統領選に勝利したわずか数週間後に、米国内で仮想通貨リグの組み立てを開始している。

また、カナンもすぐに追随しており、トランプ大統領が中国製技術に課した30%の輸入関税を回避するため、米国内で試験生産を始めている。カナンの企業開発・資本市場担当副社長、レオ・ワン(Leo Wang)氏は、貿易政策が依然として不透明であるため、この新たな米国プロジェクトは「調査段階」だとロイター通信の取材に答えている。

また、世界3位のマイクロBTは声明の中で、経済的打撃を回避するため、現在米国で「積極的にローカライズ戦略を実施している」と述べた。

3社が米国のセーフティネットを追う

3社は気まぐれで動いているのではなく、世界的な売上を守りつつ、米国の顧客を維持しようとしている。

同報道によると、中国で唯一規制に準拠したパブリックパーミッションレスブロックチェーンConflux Network(コンフラックス・ネットワーク)のグアン・ヤン(Guang Yang)CTO(最高技術責任者)は次のように指摘している。

米中貿易戦争はビットコインのサプライチェーンに表面的な変化ではなく、構造的な変化をもたらしており、米国企業にとってこれは関税にとどまらない。“政治的に受け入れられる”ハードウェア供給源への戦略的な転換だ。

現在、これら3社が世界のマイニング業界の頂点を握っており、彼らはビットコインマイニングリグを製造しており、そのマシンは膨大なエネルギー供給、クラウドインフラ、そして取引システムに依存。世界のビットコインマイニングの30%以上は北米で行われているものの、マイニングハードウェアの90%以上は中国製となっているのが現状だ。

コインテレグラフの報道によると、ケンブリッジ大学の調査によると、BitmainがビットコインASIC生産の82%、MicroBTが15%、Canaanが約2%を占めており、3社で世界市場シェアの99%を独占。ある調査推計によると、2023年末までに3社で、世界で販売されるコンピューティングパワーの95.4%を占めることになり、この独占状態は、米国企業を動揺させている。

 

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