ロビンフッドがワンダーファイを買収へ
米オンライン証券大手ロビンフッド(Robinhood)は、カナダを拠点とする仮想通貨取引プラットフォーム「ワンダーファイ(WonderFi)」を買収することで合意した。
買収額は約2億5,000万カナダドル(約262億円)で、全額現金で支払われる予定。取引の完了は、規制当局や裁判所、ワンダーファイ株主の承認を条件に、2025年後半を見込んでいる。
ロビンフッドはこの買収により、ワンダーファイ傘下の主要取引所「Bitbuy」や「Coinsquare」を取得する。両プラットフォームは合計で21億カナダドル(約2,200億円)超の顧客資産を管理し、カナダ最大級の仮想通貨ユーザーベースを抱えている。買収完了後も、BitbuyおよびCoinsquareは引き続き運営され、ロビンフッドのカナダ市場における戦略的資産として活用される。
規制順守と成長戦略の両立
ロビンフッドは、カナダが比較的明確な仮想通貨規制を持つ市場であることを評価しており、今回の買収は同国の法制度下での展開を見据えたものでもある。
ワンダーファイはカナダ市場に根ざした運営体制を築いており、今回の買収は同国の法制度下での展開に向けた一歩とされている。ロビンフッド・クリプトの上級副社長であるヨハン・ケルブラット氏は次のように述べている。
ワンダーファイは、初心者から上級者まで幅広い仮想通貨ユーザーに対応できるブランドファミリーを築いており、カナダ市場におけるロビンフッドの使命を加速させる理想的なパートナーだ。
また、ロビンフッドは2024年にトロントにカナダ本社を設立しており、今回の買収は現地拠点の事業拡大をさらに推し進める動きとなる。
ワンダーファイ側も統合に前向き
ワンダーファイの社長兼CEOであるディーン・スカーカ氏は、「ロビンフッドとともに、より多くの人々に仮想通貨を届け、業界参入のハードルを下げるというビジョンを共有している。製品の提供強化を非常に嬉しく思っている」とコメント。
買収完了後も、同社の経営陣はそのまま残り、140人以上の従業員がロビンフッドのカナダ拠点での事業に参加する予定だ。
今回の取引は、ロビンフッドが2024年6月に発表したビットスタンプの約2億ドルでの買収に続くもので、同社にとって過去最大級の国際的M&Aの一つとされる。なお、ロビンフッドの仮想通貨関連収益は前四半期比で約30%減少したが、前年同期比では倍増しており、今回の買収もその成長戦略の一環と位置づけられている