ロビンフッドが決算で市場予想を上回る
米オンライン証券大手ロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets Inc.)は、2025年第1四半期決算でウォール街の利益予想を上回る好成績を記録した。
主な成長要因は仮想通貨およびオプション取引の活況で、同社の収益と利益を大きく押し上げた。同社の総収益は9億2,700万ドル(約1,336.7億円)で、前年同期比50%増。純利益は3億3,600万ドル(約484.5億円)で2倍以上に増加。EPS (1株当たりの利益)は0.37ドルとなり、前年同期や直近の業績と比較しても堅調な水準であった。
$HOOD | Robinhood Q1'25 Earnings Highlights
🔹 EPS: $0.37 (Est. $0.36) 🟢; UP +106% YoY
🔹 Revenue: $927M (Est. $921.7M) 🟢; UP +50% YoY
🔹 Adj EBITDA: $470M (Est. $486.3M) 🔴; UP +90% YoY
🔹 Buyback Authorization Raised: +$500M to $1.5B TotalFY25 Outlook
🔹 Adjusted Operating… pic.twitter.com/fyUhD2qhM8— Wall St Engine (@wallstengine) April 30, 2025
取引ベースの収益は5億8,300万ドル(約840億円)で、前年比77%の増加。内訳を見ると、仮想通貨関連の収益は2億5,200万ドル(約363億円、前年比100%増)、オプション取引は2億4,000万ドル(約346億円、前年比56%増)、株式取引は5,600万ドル(約80億円、前年比44%増)となっている。仮想通貨が取引部門全体の約43%を占め、最も大きな成長ドライバーとなった。
また、第1四半期の総取引量は約480億ドル(6.9兆円)で、前年同期比28%増加。純利息収益も2億9,000万ドル(約418億円、前年比14%増)と、安定した成長を見せている。
利用者動向とサービス展開の強化
月間アクティブユーザー数は1,440万人で前年同期から増加したが、前四半期(1,490万人)からはやや減少した。
一方で、総プラットフォーム資産は2,210億ドル(約31.8兆円、前年比70%増)と大幅に拡大し、ユーザーの預け入れも活発な状態が続いている。純預金額は過去最高の180億ドル(約2.6兆円)、Robinhood Goldの有料会員数は前年から90%増の320万人に達しており、ヴラジミール・テネフ(Vladimir Tenev)CEO(最高経営責任者)は次のように述べている。
お客様は当社との取引が増えているだけでなく、より多くの資産を当社に託してくださっていま。利用者からの信頼が数値として現れている。
ロビンフッドは今期、AI(人工知能)投資アシスタント「Cortex(コーテックス)」や運用サービス「Strategies(ストラテジー)」、バンキング機能などを導入し、製品イノベーションの加速を図った。こうした動きがユーザーの取引高やサブスクリプション拡大に直結している。
さらに、欧州の仮想通貨取引所Bitstamp(ビットスタンプ)の買収により、約50のライセンスと登録を取得。国際市場への展開を本格化させており、同CEOは「仮想通貨以外の事業も多様化しており、将来的には仮想通貨の取引量への依存度が低くなるだろう」と述べ、事業の多角化と持続的な成長戦略への意欲を示した。