フロリダの10代の若者らが仮想通貨投資家を誘拐
米国フロリダ州に住む10代の若者3人が、400万ドル(約5.8億円)相当の仮想通貨を誘拐し盗んだ容疑で逮捕・起訴された。
現地メディアの報道によると、フロリダの10代の若者3人がラスベガスのアパートの外で男性を銃で脅迫し、400万ドル相当の仮想通貨とNFT(非代替性トークン)を盗んだ後、アリゾナ州の人里離れた砂漠に置き去りにしたとして逮捕された。
襲撃は昨年(2024年)11月、被害者がラスベガスのダウンタウンにある企業で開催された仮想通貨イベントを後にした後、発生。被害者がアパートに戻り車を駐車したところ、3人の10代の若者に銃を突きつけられた。後に、この3人はベラル・アシュラフ、オースティン・フレッチャー、そして氏名未公表の3人目の容疑者と特定。容疑者らは、被害者を車の後部座席に押し込み、頭からタオルをかぶせ、「見るな」と脅したうえで、生き延びたいなら協力しろと脅迫。さいばんしょの文書には従わなければ被害者と被害者の父親を殺すと脅迫した。脅迫を受けた被害者は、容疑者らにパスワードを渡し、仮想通貨アカウントへのアクセスを許可するよう命じられたと記載されている。
この間、容疑者らはスピーカーフォンで何者かから指示を受けている様子があり、遠隔操作で攻撃を調整し、リアルタイムで脅迫を指示する4人目の共犯者がいたことを示唆している。
未成年が成人と同様の過程で裁判
裁判所の記録によると、3人は強盗、誘拐、恐喝などの罪で起訴されており、少年裁判所の判事は、容疑の重大性を考慮し、アシュラフとフレッチャー(※ともに16歳)の2容疑者を成人として裁判にかけることを既に承認している。
2025年5月9日(金曜日)に行われたフレッチャー被告の公判で、検察官は3人目の少年が既に米国内にいないことを明らかにした。捜査官は、フロリダ州からネバダ州へ向かう容疑車両を追跡し、被害者のアパートを含む主要地点を捜査。ミシシッピ州では、警察が容疑者の家族に紐付けられた銃器を押収。この銃器は、被告のSNS投稿に登場した武器と一致したという。なお、2人は、フロリダ州の高校で、複数の言語で罵倒したり、学校職員に暴力を振るったりするなど、問題行動を起こした経歴が確認されている。
フレッチャー被告の相当理由審理で、ラスベガス地方裁判所のダニエル・ウェストマイヤー(Daniel Westmeyer)判事は保釈金を400万ドルに設定し、アシュラフ被告はGPSによる監視下で釈放されている。
増加傾向にある仮想通貨に関連した重大事件
投資家、起業家、著名人など、仮想通貨に関係する個人を狙った誘拐や恐喝事件が近年増加。米国外では、近年の事件は深刻な身体的暴力へとエスカレートしている。
フランスでは最近、仮想通貨関連の誘拐事件が3件発生。被害者には、Ledger(レジャー)の共同創業者であるデビッド・バランド(David Balland)氏などが誘拐されたと報じられている。
複数国の法執行機関は、この増大する脅威について警鐘を鳴らしており、当局は、組織犯罪グループが重要なデジタル資産を保有していることが知られている個人をますます標的にしていると警告している。