ドイツ当局、大規模ハッキングとの関連性を理由に仮想通貨取引所eXchを閉鎖、3,820万ドル相当の資産を押収

ドイツ当局が仮想通貨取引所eXchを閉鎖

違法な仮想通貨取引への徹底的な取り締まりの一環として、フランクフルト法執行機関は仮想通貨取引所eXchの閉鎖を発表した。

ドイツ法執行機関は、バイビット(Bybit)が14億ドルの大規模ハッキング被害に遭った後に盗まれた資金の洗浄に利用されたとされる仮想通貨取引所eXchを閉鎖し、3,400万ユーロ(約55.6億円)相当の仮想通貨を押収。この押収額は、BKA(ドイツ連邦刑事警察庁)史上3番目に大規模な仮想通貨押収額となった。押収された資産には、ビットコイン(Bitcoin/BTC)、イーサリアム(Ethereum/ETH)、ライトコイン(Litecoin/LTC)、ダッシュコイン(Dashcoin/DASH)などが含まれています。

捜査官らは、15億ドル規模のBybitハッキングや14億ドル規模のMultisig侵害など、大規模なサイバー窃盗事件におけるマネーロンダリングにおいて、eXchが重要な役割を果たしたと主張。同プラットフォームは、さまざまなフィッシングキャンペーンの資金隠蔽に関与していたとされている。

仮想通貨調査員の@ZachXBTは、eXchがこれらの犯罪に関連する疑わしいウォレットアドレスをブロックまたは凍結することを一貫して拒否していることを指摘。@ZachXBT氏は、ハッキングが確認された直後にBybitから盗まれた3,500万ドル相当の仮想通貨の洗浄にeXchが関与していたことを最初に報じたセキュリティアナリストの一人であった。

BKAのディレクターであり、サイバー犯罪部門の責任者であるカーステン・マイヴィルト(Carsten Meywirth)氏は、この作戦の重要性を強調したうえで、次のように述べている。

記録的な額の犯罪に関与した仮想通貨を確保しました。これは、地下仮想通貨経済への直接的な打撃で、私たちは犯人の責任追及に引き続き尽力します。


BKAによるとeXchを「スワッピング」サービスを提供と表現

2014年に設立されたeXchは、パブリックインターネットとダークウェブ上で運営される、摩擦のない仮想通貨取引きプラットフォームを公言していた。

サイバー犯罪者にとってeXchが魅力的な理由は、マネーロンダリング対策やKYC(顧客確認)要件が欠如していることが主な理由だ。プラットフォーム側はユーザーデータを保存しないと主張。ユーザーが事実上取引履歴を隠蔽(いんぺい)できる状態であり、声明の中で、BKAはeXchを「スワッピング」サービスと表現し、ユーザーがAML対策を実施することなくさまざまな仮想通貨を交換できるサービスだと表現したうえで、次のように述べている。

仮想通貨スワッピングは地下経済の重要な要素であり、ハッキングや盗まれた決済カードデータの取引などの違法行為から資金を隠し、犯罪者が利用できるようにするために使用されている。

当局は、eXchの設立以来、19億ドル(約2,772億円)以上の仮想通貨取引を仲介してきたと推定。その多くが現在、違法行為との関連性について調査を受けている状況だ。捜査で明らかになった証拠は、仮想通貨史上最も壊滅的なハッキングの一つであるBybitハッキングで流出した資金の一部がeXchを通じて流入したことを示唆している。

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