タイ、新仮想通貨法で詐欺関連取引に30万バーツの罰金
タイの規制当局は、デジタル資産ミュール(不正取引業者)アカウントへの対策を強化し、外国の仮想通貨P2Pプラットフォームを規制し、違反した場合、最高で8,700ドルの罰金を科す可能性がある。
タイは、デジタル資産に関連するオンライン詐欺やサイバー犯罪の抑制に向け、デジタル資産取引への取り締まりを強化しており、内閣は2025年4月8日(火曜日)、デジタル資産事業に関する緊急政令およびサイバー犯罪防止対策の改正を承認する決議を可決。その後、タイSEC(タイ証券取引委員会)により、内閣が仮想通貨取引の規制強化と金融詐欺対策を強化するための一連の法改正案を承認を発表した。
新改正法は、不正取引業者アカウントを対象とし、タイ国内の監督を受けずに運営されている外国のP2Pプラットフォームを取り締まる。新規則では、仮想通貨サービスプロバイダーは、詐欺に関連する疑わしい取引情報を収集し、報告したうえで、取引を停止することが義務付けられている。これらに違反した場合、最高30万バーツ(約130万円8,700ドル)の罰金と最長3年の懲役刑が科せられる可能性がある。なお、新法は近日中に施行される予定で、タイ王国政府官報に掲載された後、発効されるという。
タイのユーザーへ提供するサービス阻止が可能に
当局は今後、外国のCASP(仮想通貨サービスプロバイダー)がタイのユーザーへ提供するサービスを阻止できるようになる。
この措置は、マネーロンダリング(資金洗浄)のリスクを抑制し、国内の規制の及ばないプラットフォームへの管理を強化するとされている。新たな措置は仮想通貨プラットフォームにとどまらず、銀行、通信会社、ソーシャルメディア企業にも追加的な責任を課す。これらの事業者は、オンライン詐欺防止のための規制基準を遵守しなかった場合、サイバー犯罪による損害に対して共同責任を問われる可能性があり、SECは次のように述べている。
商業銀行、電話・通信ネットワークプロバイダー、ソーシャルメディアサービスプロバイダー、デジタル資産事業者は、規制当局が定めるサイバー犯罪防止のための基準または措置を遵守しなかった場合、サイバー犯罪による損害について共同責任を負うことが必要となります。
タイSECによるとこれらの法律は、国内法でデジタル資産取引所として分類されている外国の仮想通貨P2Pサービスを「抑止し、防止する」ことを目的としている。
3月初旬、タイではUSDTとUSDCを承認し、これらのステーブルコインが全国の規制対象取引所に上場可能になった。さらに、個人投資家向けには、タイ当局が無許可の仮想通貨プラットフォームへのアクセスを遮断すると発表。当局は、無許可プラットフォームのリストを作成し、デジタル経済社会省に提出するよう指示。同省は裁判所の承認を得た後、これらのプラットフォームの遮断を容易にする。SECはユーザーへの影響を認識し、ユーザーがこれらの無許可サービスから資産を管理し、引き出しを行うための猶予期間を設けると発表した。