Krakenが15億ドルでNinjaTraderを買収
仮想通貨取引所大手クラーケン(Kraken)は、米国の先物ブローカーNinjaTrader (ニンジャトレーダー)を15億ドルで買収し、米国先物市場に進出する事を発表した。
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— Dave Ripley (@DavidLRipley) March 20, 2025
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WSJ(ウォールストリートジャーナル)は「事情に詳しい関係者」の話を引用し、クラーケンが米国を拠点とし、CFTC(米国商品先物取引委員会)規制下の小売り先物取引業者として運営されているNinjaTraderを15億ドルで買収する予定だと報じた。この仮想通貨取引所大手は早ければ現地時間の20日(木)にも正式に発表されるとみられる。買収が完了すれば、この動きはクラーケンが米国の先物およびデリバティブ市場に進出するのを可能にし、同時にNinjaTraderの国際的成長を助けることになる。
この取引は、仮想通貨市場と従来の先物市場を近づけることで、取引の形を変える可能性がある。
仮想通貨以外の市場への参入
2003年に設立されたNinjaTraderは先物取引業者として運営されており、トレーダーに先物取引ツールを提供している。
さらに重要なのは、NinjaTraderが登録された先物取引業者であることで、Krakenは米国で仮想通貨の先物およびデリバティブを合法的に提供できるようになる。この取引は、仮想通貨取引を超えて株式や支払いなどの他の分野に拡大するというクラーケンのより大きな計画の一部であり、KrakenはNinjaTraderが英国、ヨーロッパ、オーストラリアに拡大する計画についても説明。ただし、NinjaTrader はKraken傘下としてではなく、“独立したブランド”として引き続き運営される見込みだ。
一方のKraken は、2011 年に設立され、米国を拠点とする最古かつ最大の仮想通貨取引所の1つである。Kraken は新部門Kraken Securitiesの下、米国上場の株式とETF(上場投資信託)を当初は米国と英国の2カ国で提供する計画があると報道がされていた。
Krakenの拡大推進
サンフランシスコに本社を置くこのKrakenは、2025年初めにキプロスの企業を買収し、MiFID(金融商品市場指令)ライセンスを取得したうえで、EEA(European Economic Area:欧州経済領域)全体でデリバティブを提供できるようにした。
一方、SEC(米国証券取引委員会)はKrakenに対する訴訟を取り下げた。なお、Krakenは最近、英国における同社の成長戦略の一環として、英国のFCA(金融行動監視機構)からEMI(電子マネー機関)のライセンスも取得している。