デリビットが警告 偽リクルーターによる仮想通貨業界の求人詐欺が急増

スマートフォンに表示されたWeb3の求人詐欺の警告画面。仮想通貨業界での偽リクルーターによる詐欺を警告するイメージ。

仮想通貨業界で横行する偽求人詐欺

仮想通貨デリバティブ取引所のデリビット(Deribit)は、求職者を狙った偽の求人詐欺が急増していると発表した。

日本語訳:
DeribitのCISO、アンソニー・スウィーニーからの詐欺警告

ここ数週間、Deribit(おそらく他の有名企業もすぐに)で働いていると主張するリクルーターを装う詐欺師が急増していることがわかりました。仮想通貨業界は最新の詐欺手法を先導することが多く、この詐欺も例外ではありません。他の分野にも急速に広がることが予想されます。他の人を守るために、この警告を共有して…

特にLinkedInなどのプラットフォームで、詐欺師がリクルーターになりすまし、信頼を得た後に金銭や個人情報を騙し取る手口が多発しており、デリビットは「現在、公式サイト以外での直接採用は行っていない」と強調し、注意を呼びかけている。

公式発表によると、デリビットは求職者向けの採用情報はすべて公式サイトに掲載されると明言しており、それ以外の求人情報は詐欺の可能性があるとしている。また、同社はLinkedInTelegramXなどのソーシャルメディア上の求人に関する報告が増えていることを確認。これらのプラットフォーム上の不審なアカウントに警戒するよう求職者に注意を促している。

巧妙化する求人詐欺の手口

詐欺師は、本物のリクルーターの名前を使い、企業のロゴや公式デザインを模倣したメールを送信することで、正規の求人に見せかける。

被害者には、正規企業のドメインに似たメールアドレスが使用されることもあり、見分けがつきにくくなっている。また、リモートワークの普及に伴い、詐欺師はオンライン面接を悪用するケースも増えている。ビデオ面接を偽装したり、「トレーニング費用」と称して金銭の送金を求めたりすることで、被害者に支払いを促す。特に、ブロックチェーン技術者やデータアナリストなど、仮想通貨業界の専門家が狙われやすいと指摘されている。

新たな報告では、高額な給与や特別待遇を前面に出して求職者を引き込む手口が確認されている。詐欺師は、通常の相場を大幅に上回る報酬を提示し、迅速な契約締結を迫ることで、被害者に慎重な判断をさせないようにする。さらに、仮想通貨での報酬支払いを装い、被害者に対し仮想通貨ウォレットのセットアップを指示するケースも増えている。この手法では、詐欺師がウォレットの管理情報を取得し、資金を不正に移動させるリスクがある。

デリビットが示す対応策と求職者の防衛策

仮想通貨業界では、フィッシング詐欺やSNSなりすまし詐欺、ICO詐欺などが増加している。

特に2024年以降は、企業名を騙る求人詐欺が急増し、投資家や求職者を狙った被害が拡大している。詐欺師は、ターゲットとなる専門職のスキルやネットワークを悪用する狙いもあるため、企業側も採用プロセスの透明性を高め、詐欺のリスクを最小限に抑える必要がある。デリビットは、不審な求人情報に関する警戒を強めており、以下の対応策を発表している。

  • 公式サイトでのみ求人情報を確認するよう求職者に呼びかけ
  • LinkedInやTelegram、Twitter上の不審なアカウントへの注意喚起を強化
  • SNSプラットフォームと連携し、不正アカウントの削除を推進
  • 詐欺の疑いがある場合は、公式サポートへ報告するよう促す


  • 求職者も、ウォレット情報や個人情報を提供しない、デポジットや送金を求められた場合は即座に詐欺を疑うといった自己防衛策を講じることが重要だ。デリビットの警告は、仮想通貨業界における新たな詐欺の手口を明らかにした。業界全体での対策が求められると同時に、求職者自身も慎重な判断を心がける必要がある。

ABOUTこの記事をかいた人

2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム