2023年の銀行破綻を受けてBIS国際決済銀行は仮想通貨保有状況開示を提案

BIS国際決済銀行は仮想通貨保有状況開示を提案

デジタル通貨に関連した銀行業務の混乱で特徴づけられた激動の2023年を受けて、国際規制当局であるBIS(Bank for International Settlements:国債決済銀行)は、銀行の仮想通貨エクスポージャーに対する新たな透明性措置を提案している事が分かった。

日本語訳:
10月4~5日の会合で、バーゼル委員会は仮想通貨と気候変動の開示について協議することに同意し、G-SIBの年次評価を承認し、2023年初頭の銀行混乱に関する報告書を発表した

ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などの仮想通貨の急激な成長と人気により、BISは現在、金融安定維持のため、銀行によるこれらの資産の開示に注目している。既存金融機関の規範を定義する影響力ある機関のBCBS(バーゼル銀行監督委員会)は、銀行は本質的な裏付けのない仮想通貨の保有に対して潜在的に多額の資本を維持すべきであるという立場をすでに明確にしている。

仮想通貨業界激動の年を経て開示要件を提案へ

彼らの勧告は、仮想通貨取引所FTXや、シグネチャー銀行(Signature Bank)やシリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)などのデジタル中心銀行の没落によって強調され、仮想通貨業界にとって激動の年を経て発表された。

同委員会の懸念は、仮想通貨分野での突然のショックから生じる広範な金融混乱、または“感染”を防ぎたいという願望から来ている。同委員会は今後の協議文書でこの主題をさらに掘り下げ、具体的な銀行の仮想通貨エクスポージャーに関連する開示要件を提案する予定で、12月に最終決定されたデジタル資産の資本要件に追加されるものとのことだ。

米国、英国、欧州連合などの有力国を含む28の管轄区域の銀行監督当局の集合体であるバーゼル委員会は、常に仮想通貨の規範を監視。必要に応じて調整するという姿勢を維持してきたが、これが同委員会にとって初めてのあからさまな兆候であることは注目に値する。今回発表された報告書の中で同委員会は、言葉を削ることなく、仮想通貨によってもたらされている現在の課題を、2008年の金融破綻以来経験した「システム全体にわたる最も重大な銀行業務ストレス」と同等視している。

仮想通貨の魅力の突然の急増が、とりわけ、3月の伝統的な金融セクターの混乱に間接的に寄与した主な要因として特定されている事が注目されている。例えば…、同報告書は、3月12日に業務を停止したニューヨークに本拠を置くシグネチャーバンクが、仮想通貨業界の預金との結びつきに伴うリスクを著しく過小評価していたと指摘。同社の経営陣は、仮想通貨のボラティリティ(※仮想通貨価格の変動差)に対する不安が従来の顧客さえも資金を引き揚げる可能性があることを予測できなかったとみられる。

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