DOJとSECがDCGを調査
仮想通貨コングロマリットのDCG(Digital Currency Group)は、DOJ(米国司法省)とSEC(証券取引委員会)の調査を受けていると報じられたことが明らかになった。
大手メディアBloombergの報道によると、DCGはDOJのニューヨーク東部地区とSECによる調査を受けており、当局は主にDCGから子会社である仮想通貨レンディングGenesisへの内部送金を調査。同調査は、DCGとGenesisの間の内部転送に焦点を当てていると伝えられており、DOJはすでに両者に事情聴取と文書提出を要求しており、SECも同様の調査を実施しているとのこと。
3ACの下落による影響
2022年6月にGenesisは仮想通貨ヘッジファンド3AC(Three Arrows Capital)の下落に伴い大きな損失に直面し、その後12億ドル(約1,586億円)の請求を行い、DCGはGenesisのためにその請求を引き受けたと報じられている。
同社はFTXの破綻によっても悪影響を受けており、同社の開示によると、FTXの取引口座に1億7,500万ドル(約231億円)を預けていたことで、大きな問題となっていた。また、同社の融資部門は11月に流動性の問題から出金を停止し、ここ数カ月で大規模なレイオフを実施。8月以降は従業員数をほぼ半減し、連邦破産法11条の適用を申請する話もうわさされるようになっていた。
Genesisの問題は、投資家が仮想通貨ローンで8%の利息を得られるGemini Earnという商品を運営していた仮想通貨取引所Geminiに9億ドル(約1189.6億円)を借りており、報道によるとGeminiは、DCGがGenesisへの返済を怠り、Geminiの顧客への支払いが滞ったと主張している。しかし、これまでのところ、どの当事者からもDCGに対する起訴はされておらず、また、米国の両当局から具体的な情報が開示されているわけでもないとのこと。
DCGの子会社には、Genesis、Grayscale Investments、CoinDesk、仮想通貨取引所Luno、ビットコインマイニング会社Foundryがある。実際、DCGは2021年9月時点でAUM(※1)値が500億ドル(約6.6兆円)と、業界最大の仮想通貨コングロマリットの1つであり、米国当局が行っているDCGに対する調査は、仮想通貨市場全体にとってかなりの影響であると考えられている。
Assets=運用、Under=受託、Management=資産から来る造語で、資産運用総額、または資産運用残高の事
これまでのところ、仮想通貨市場は11月のFTX崩壊後、着実に回復しており、過去7日間で2.4%上昇しており、Coinbaseのデータによると、現在16,937.52ドル(約224万円)で取引されている。