コインベース、wBTCの上場廃止をジャスティン・サンと関連づけて批判に直面

コインベースはwBTC上場廃止をめぐる批判に直面

仮想通貨コミュニティは、コインベース(Coinbase)がラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin/wBTC)の上場廃止を説明したことに対して反論している。

12月17日、Coinbaseはジャスティン・サン(Justin Sun)氏の関連会社であるBiT Global https://bitgc.io/ (ビットグローバル)が起こした訴訟に対する回答書を提出。BiT Globalは、同取引所によるWrapped Bitcoin上場廃止によって市場に損害を与えたと非難。対して同取引所は、金融不正行為の告発や規制当局の調査など、同氏に関連するリスクを挙げている。

コインベースは上場廃止について十分な法的、技術的な正当性を示していないと非難する声が多く、実際、同取引所自体が多くの調査を受けていることを強調する声もある。同取引所対してに懐疑的な@Pledditor氏は2024年12月17日(火曜日)、Xに投稿し、上場廃止の決定には本質的な議論が欠けていると取引所を批判したうえで次のように述べている。

日本語訳:
それで、今日の裁判所への提出書類で、CoinbaseがwBTCを上場廃止した理由を述べましたが、基本的にはジャスティン・サンが気に入らないというだけです。
本当にその通りです。
彼らは、なぜwBTCが上場できないのかについて、技術的または法的な議論を一切していない。それは単なる連座制だ

しかし、同取引所の提出書類では、サン氏の不正行為疑惑への関与に言及し、@Pledditor氏は不正行為防止を意図した業界および政府の基準に違反したと報告されていると指摘。同取引所は、同氏との関係からBiT Globalの信頼性に疑念を表明し、次のようにコメントしている。

彼が繰り返し金融不正行為で告発され、調査され、訴えられてきたこと、そして彼の不正行為の疑いに関する報道が報道や仮想通貨コミュニティにより広くあふれていることを認めることもまた同様である。


訴訟続きのコインベースとジャスティン・サン氏

一方で、仮想通貨トロン(Tron/TRON)の創始者であるポール・グレワル(Paul Grewal)氏は、2023年3月に米国証券取引委員会から詐欺と証券違反の容疑で告発されている。

彼はまた、FBI(米連邦捜査局)とニューヨーク州南部地区検察局の捜査対象になっていると報じられている。ヴァンエック(VanEck)のアドバイザーであるガボール・グルバック(Gabor Gurbacs)氏のような著名なコミュニティーのメンバーの中には、wBTCの件と関連して、Coinbaseの米国での法的トラブルに注目している人もいる。グルバック氏はサン氏が再投稿したXの投稿に次の様にコメントしている。

日本語訳:
coinbase対ジャスティン・サン
このように扱っているのは皮肉なことです。Coinbase 自体がSECやその他の多数の調査を受けており、おそらくサン氏と彼のビジネスよりもずっと多くの調査を受けているでしょう。このようにして誰かの評判を疑問視すると、その人の秘密が明らかになるだけかもしれません。

実際、SECは2023年6月、未登録証券の提供の疑いでコインベースを提訴したが、これは規制当局がサン氏を詐欺罪で起訴したわずか数カ月後のことだ。この訴訟は現在も続いており、同取引所のポール・グレワル(Paul Grewal)CLO(Chief Legal Officer/最高法務責任者)は、仮想通貨業界に対してより建設的なアプローチを採用するよう規制当局に公的に求めている。

また、コインベースは2023年1月、同社のコンプライアンス・プログラムに関わる訴訟について、NYDFS https://www.dfs.ny.gov/ (ニューヨーク金融サービス局)と1億ドル(約157.8億円)の和解を成立させている。