英国警察が史上最高額2億5000万ドル相当の仮想通貨を押収

ロンドン警視庁が史上最高額の仮想通貨を押収

ロンドン警視庁は、国際的マネーロンダリング調査の過程で、約2億5000万ドル(約276億円)相当の仮想通貨を没収したことが明らかになった。

スコットランドヤードとして知られるロンドン警視庁は7月13日(火曜日)、約1億8000万ポンド(約274億円)相当の仮想通貨を押収し、世界最大の仮想通貨の押収の1つとなった。この件に関連し、39歳の女性がマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで逮捕され、詳しい取り調べの後、釈放された。

発表によると、仮想通貨はロンドン警視庁経済犯罪司令部によって押収され、国際的なマネーロンダリングに関連する調査の一環として、違法仮想通貨ウォレットの転送に対応していた。ロンドン警視庁はどの仮想通貨が押収されたかなどの詳細は明らかにしていないが、ジョー・ライアン(Joe Ryan)刑事巡査は、押収の成功を調査の重要なランドマークと説明している。

規制強化によって英国で相次ぐ仮想通貨の押収

約3週間前、ロンドンで過去最大となる1億1,400万ポンド(約174億円)の仮想通貨の押収が発生したばかりで、2件の合計押収額は2億9400万ポンド(約448億8,000万円)にのぼる。ロンドン警視庁のグラハム・マクナルティ(Graham McNulty)は、これらの件について次のように指摘した。

仮想通貨はほんの数年前は未開拓領域でしたが、デジタルプラットフォームの開発により、不正に取得したお金をロンダリングするために仮想通貨を使用する組織犯罪者の数が増加しています。この疑わしいマネーロンダリング操作の中心にいる人々に焦点を合わせているため、今後数カ月間は続くでしょう。

実際、規制やKYC(Know Your Customer=本人確認義務)が厳格になされていない仮想通貨取引所は、長年マネーロンダリングやその他の違法行為の温床であるとみなされている。英国の規制当局は最近、世界中の他の国々とともに英国で人気を博している仮想通貨取引の監視を強化している。それをはっきり実感できるのがNEXTMONEYの6月29日付の特集記事「英国規制当局が世界最大の仮想通貨取引所Binanceを取り締まる」で報じたBinanceに対する取り締まりだ。

Binanceは現在、各国の取り締まりの標的になっており、FCA(英国金融行動監視機構)は先月、Binanceに、その管轄内で規制された活動を行うことは許可されていない旨の警告を行っている。この一連の動きにより、Binanceはクリアジャンクションなどの英国の決済テクノロジー企業との重要な業務提携を解消するに至り、窮地に立たされている。

英国規制当局が世界最大の仮想通貨取引所Binanceを取り締まる

2021.06.29