インド規制当局は2022年ブロックチェーンを採用へ
インドの証券および商品市場の規制当局であるSEBI(Securities and Exchange Board of India=インド証券取引委員会)は、インドの金融商品の監視におけるブロックチェーンテクノロジーの使用例を増やす意向を明らかにした。
SEBI公式サイトに公開されたプレスリリースで、現在、分散型台帳技術を使用した非転換証券の「セキュリティとコベナントモニタリング」のための新しいプラットフォームを立ち上げる計画を発表。当局は、2022年4月1日に稼働を開始する予定の新セキュリティシステムは、債務契約に挿入された条件である転換不可能な証券と契約の信用格付けを注意深く監視すると述べた。さらに、関係者に必要な許可を与え、取引所や預託機関などの他のエンティティがアクセスできるようになるデータを更新するため、社債受託者、発行者、信用格付け機関などが含まれるとのこと。
規制当局はブロックチェーン上にシステムを構築することを計画しているため、入力データを変更できないことから、セキュリティと透明性の層が追加される。SEBIは、保存されたデータは暗号で署名され、タイムスタンプが付けられ、元帳に順次追加され、トランザクションの検証可能な監査証跡を提供すると述べた。さらに、ブロックチェーンに保存されているトランザクション履歴とデータは完全に暗号化され、“知る必要がある”場合にのみ必要な利害関係者と共有されるとのこと。
ブロックチェーンがより良い保護を提供する
SEBIはさらにブロックチェーンテクノロジーを称賛し、機密データの保管には従来のシステムよりもはるかに優れていることを認め、次のように述べている。
DLTは、単一の攻撃ポイントを排除する分散型の性質により、従来の集中型データベースよりも回復力のあるシステムを提供し、さまざまなタイプのサイバー攻撃に対する保護を強化する可能性があります。
2022年の新システムの立ち上げは、インドの金融エコシステム内でのテクノロジーのユースケースの注目すべきステップを表すため、ブロックチェーン業界にとって画期的な瞬間となるとみられる。インド政府はブロックチェーンテクノロジーのアイデアを歓迎しているように見えるものの、仮想通貨とは何の関係も現時点ではない。現在のインド当局は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)などのプライベート仮想通貨の使用を恒久的に禁止する計画を立てていると伝えられているだけに、今後、インドの仮想通貨市場がどのように進んでいくのか、しばらく注視するしかなさそうだ。