韓国財務省はエアドロップが贈与税の対象と指摘
韓国の財務省にあたる企画財政部(Ministry of Economy and Finance)は、仮想通貨贈与税が2025年に延期されたにもかかわらず、仮想資産のエアドロップ、ステーキング報酬、ハードフォークトークンが相続・贈与税法に基づく贈与税の対象となることを明らかにした。
企画財政部は、税法解釈照会により、エアドロップが贈与税の対象となるかどうかについての解釈を求められ、仮想資産の無償譲渡は相続税・贈与税法上の贈与であり、課税されるべきものであるとの見解を示した。そのため同財政部は、エアドロップを贈与税範囲から除外するためには、追加の法律が必要であるとの見解を示しており、仮想資産の寄付にも税金がかかると指摘した。また、仮想通貨は、韓国の法律上では仮想資産の一部と公式にみなされており、仮想資産にかかる法律と同様の税率が仮想通貨にも適用されるとのこと。しかし多くの場合、法的根拠がないため、税務当局が仮想通貨取引の詳細を把握することは難しく、十分なインフラもないため、課税はいっそう難しくなっているとのこと。
さらに、同財政部の解釈では、贈与税は経済的価値のあるすべての物に適用され、経済的利益に対する法的権利や事実上の法的権利、金銭に換算可能な財産価値も含まれるとのこと。
仮想通貨贈与税は取引状況を考慮して判断されるべき
韓国の贈与税は10%から50%で、贈与の属する月の末日から数えて3カ月以内に申告する必要があり、韓国政府の立場は、自由な仮想資産に対する実際の課税はケースバイケースで対応すべきだというものだとメディアは報じている。
実際、5月に就任したユン・ソンニョル(尹淑烈:Yoon Suk-yeol)大統領政権は、20%のキャピタルゲイン課税案を2025年1月まで先送りしており、当初は2022年1月から課税される予定だったが、前政権は2023年に1年延期したとのこと。今回の指摘に対して企画財政部は次のように語っている。
特定の仮想資産取引が贈与税の対象になるかどうかは、対価か、実際の財産や利益が移転しているかなど、取引状況を考慮して判断される問題です。
規制ガイドラインの欠如は、当局が何度も仮想資産利得税の適用を延期してきた原因となっており、当局にとって、あらゆる種類の仮想資産取引を検証し、その法的根拠を形成することは非常に複雑となるとのこと。したがって、課税されたとしても、仮想資産の寄付の詳細を把握することが困難になっているのが現状であり、正確な税制を整備するのが難しいとのことだ。
一方で、韓国は2023年、新仮想通貨規制の枠組みとローカルなデジタル資産エコシステムを導入する予定であり、韓国銀行は同年中にCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)を導入する予定とのこと。