KrakenのCEOがトルネードキャッシュを守る
仮想通貨取引所Krakenのジェシー・パウエル(Jesse Powell)CEO(最高経営責任者)は、トルネードキャッシュ(Tornado Cash)のコインミキサーに関連付けられたアドレスに対する最近の米国の制裁に反対し、批判している事が分かった。
パウエルCEOは、Tornado Cash に対する制裁を批判しており、ブルームバーグTVによるインタビューの中で、個人には「経済的プライバシーの権利がある」と主張し、多くの人が正当な理由でトルネードキャッシュを使用していると述べた。また、同氏は言論の自由をめぐり、USDT(United States Department of the Treasury=米国財務省)とOFAC(Office of Foreign Assets Control=米国財務省外国資産管理室)を法廷に持ち込むというCoin Centerの計画に言及し、制裁が憲法上の異議申し立てに耐えられるかどうかについても疑問を呈した。
コミュニティの反応は誇張されている可能性
パウエルCEOは、コミュニティの反応は誇張されている可能性があると考えており、トルネードキャッシュのGitHubコードの削除は不必要ではあったが、これらの出来事がオープンソース プロジェクトに対するより広範な攻撃の兆候であるとは見ていないと述べている。
制裁はTerraUSDの崩壊に対する「ひざまずく反応」と「性急な対応」であり、規制当局は大衆を保護する意図で過剰に反応したと指摘している。さらに同CEOは、自身の反対にもかかわらず、Kraken がトルネードキャッシュアドレスに関連するアドレスとの間の取引をブロックすることを確認。そのうえで同CEOはブルームバーグに対して次のように語っている。
トルネードに関連するアドレスへの引き出しを禁止し、トルネードのアドレスから入ってくる資金を凍結する可能性が高い。
過去に過度の規制に抵抗した同CEOが制裁に反対するのは予想されており、2022年2月には、仮想通貨取引所を標的としたカナダ政府の緊急措置を批判。同月に同CEOはウクライナのミハイロ・フェドロフ(Mykhailo Fedorov)副首相の要請でロシアの口座凍結を拒否している。
トルネードキャッシュに対する制裁を批判する仮想通貨リーダーはパウエルCEOの他にも居り、Coinbaseのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOと、Circleのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)CEOも、個人や団体ではなくツールを対象としているという理由で制裁を批判している。