FRS副議長がCBDCの作成機関に言及
FRS(Federal Reserve System=米国連邦準備制度)の副議長であるラエル・ブレナード(Lael Brainard)氏は、米国でCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)を導入するには5年かかる可能性が高いと述べていることが分かった。
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米国の金融サービスに関する衆議院委員会は5月27日(金曜日)、連邦準備制度の副議長であるブレナード氏とのヒアリングを実施し、架空の米国CBDCをモデルケースに、リスクとメリットを検討した。ブレイナード氏は、CBDCの導入のタイムラインについて話した際、次のように語っている。
議会が中央銀行のデジタル通貨を発行することを決定した場合、必要なセキュリティ機能である設計機能を導入するのに5年かかる可能性がある。
現ニーズより未来予測に重点を置いたヒアリング
同副議長によると、CBDCの質問は、現在のニーズを満たすことよりも、米国金融システムの将来を予測することに関するものが中心であったという。
同氏は、CBDCを作成することにはリスクがあることを認めたが、CBDCを作成しないことにもリスクがあることを指摘。これらのリスクの1つは、ステーブルコインがデジタルドルの支配的な形態になることだと主張している。さらに同氏は続けて、これが「支払いシステムの断片化」を引き起こす可能性があると説明した。同氏の考える懸念のなかには、ヨーロッパや中国の他の中央銀行が比類のない現金にデジタルアナログを発行する可能性があり、それが世界の予備通貨としての米ドルの地位を脅かす可能性があるというものだ。下院金融サービス委員会からの最近の報告によると、世界中の中央銀行の85%以上が現在CBDCを研究・開発をめざしてプロジェクトを進めているとのこと。
ただし、FRSは、CBDCの設計と実施を進めるために、議会とホワイトハウスからの承認を取得することが大前提であると述べている。