イーサリアムブロックの60%以上がOFACの申し立てを受ける

イーサリアムブロックの60%がOFACに従う

2022年8月にOFAC(Office of Foreign Assets Control:米国財務省外国資産管理局)は、イーサリアムブロックチェーン上の60%以上のDApps(分散型アプリケーション)に制裁を課した事が分かった。

これらの制裁は主に、北朝鮮のハッカーに仮想通貨投資家から盗んだ資金を洗浄する方法を提供したとして非難されているTornado Cash(トルネードキャッシュ)やミキシングサービスを提供するブレンダーなどに焦点を当てている。Tornado Cash自体は、作成されてから3年間で70億ドル(約9379.6億円)以上の仮想通貨をロンダリング(資金洗浄)するために使用されたとみられている。しかしTornado Cashは、制裁によって最終的に閉鎖され、開発者の1人がオランダ当局に逮捕されている。

イーサリアムブロックの大部分がOFACに準拠

現在、イーサリアムブロックの大部分はOFAC制裁基準に準拠している。

MEV Watchより画像引用

上記のMEV Watchの最新調査グラフは、100ブロックごとにOFAC検閲を実施しているブロックの数を示している。このグラフから、ブロックの 60%以上がOFACに準拠していることがわかる。これは、イーサリアムブロックの大部分が、トルネードキャッシュなどの認可されたアプリケーションとやり取りしたトランザクションを追加していないことを意味しており、ネットワークと、これが起こっている場合の真の分散化について批判を集めている。

新たな脅威

イーサリアムをPOSメカニズムに移行したことで、当局がネットワーク上で実行できるトランザクションを管理しやすくなったという主張が多数でている。

MEV Watchには、7 つの主要なmev-boost リレーがリストされており、そのうち 4 つが現在運用され、OFACの制裁に従ってトランザクションを検閲している。OFAC によって認可されたウォレットやスマートコントラクトからのトランザクションを含まないこれらのリレーは、イーサリアムの分散化に大きな打撃を与える。すべてのリレーがこれらの要件に準拠していれば、政府はブロックチェーン上の分散化されたウォレットをブラックリストに登録し、ブラックリストに登録された銀行口座と同様に、そのアドレスが取引できないようにできる。

この完全な検閲の脅威をうまく回避するには、バリデーターは、mev-boost 構成をセットアップする際、OFAC要件に従ってトランザクションを検閲するこれらのリレーを追加しないようにしなければならない。また、検閲に準拠したリレーを構成に追加するバリデータが増えるほど、検閲されるトランザクションが増える。

MEV Watchより画像引用

MEV Watchサイトには、バリデータで検閲に準拠したmev リレーを実行しているエンティティを一覧表示する「Censorship Offenders Leaderboard(日本語訳:検閲犯罪者ランキング)」と呼ばれるもののリストも含まれており、これらのトップ 5 は、StakeHound、Celsius Network、Ether Capital、Cream Finance、Bitstamp であった。