DOJがロシアのウクライナ侵攻に対応したタスクフォースを発足

DOJが新タスクフォースを発足

DOJ(United States Department of Justice=米国司法省)は、ウクライナの侵略に関連するロシアに対する最近の米国の財政制裁およびその他の経済的対策の実施に焦点を当てた、新しい省庁間タスクフォースである「KleptoCapture(クリプトキャプチャー)」の立ち上げを発表した事がわかった。

KleptoCaptureの掲げる使命には

・ロシアのウクライナ侵攻に対応して課された最近の米国制裁の違反を調査および起訴するとともに、関連する「Know-your-customer」(KYC)および反マネーロンダリング(AML)のコントロール。
・米国の制裁を回避するため、またはマネーロンダリング活動に従事するために仮想通貨を使用する特定の努力を阻止する。
・民事および刑事資産の没収を使用して、違法行為の収益として特定された資産を差し押さえる。

KleptoCaptureの設立は、ロシアの当局者、金融機関、エリート、政権との取引を支援または従事するその他の個人や団体に課せられた経済制裁および輸出規制に続くもので、これらの禁止には、ロシアを支援しているベラルーシやベラルーシ政府当局者などの特定の国や個人との取引に対する制限が含まれている。

広がるロシアへの制裁網

米国政府と同盟国の制裁および貿易制限の複雑な網は拡大・進化し続けており、東ヨーロッパ諸国のビジネス関係の将来を評価している企業に不確実性をもたらしており、これにタスクフォース設立も当てはまる。

ニューヨーク南部地区の米国検察庁の腐敗検察官が率いるKleptoCaptureは、DOJ国家安全保障局の検察官が配置され、刑事部門、市民部門、全国の米国検察庁の弁護士がチームとして配置されている。同タスクフォースには、FBI(Federal Bureau of Investigation=連邦捜査局)、DHS(United States Department of Homeland Security=米国国土安全保障省)、IRS(Internal Revenue Service=米国内国歳入庁)、米国シークレットサービスなどのさまざまな法執行機関のアナリストやエージェントも含まれている。

同タスクフォースは、制裁と輸出管理に関連する多様なスキルセットと専門知識を備えたグループを結集し、没収、AML、腐敗防止、税務執行などを主張していく。さらに、ガーランド司法長官が「石を投げ捨てない」というコミットメントに忠実であり、ロシア政権を支援する人々に責任を負わせるために利用可能なすべての法執行ツールを使用することで、タスクフォースは金融規制当局と民間セクターのパートナーの支援を求めていくとのこと。

米国以外も制裁強化

新たに公布されたロシアの制裁が意図された効果を発揮することを保証するため、結集しているのは米国だけではない。

例えば…、2022年3月3日(木曜日)、フランス当局は、ロシアの石油大手ロスネフチのCEOであるイゴール・セチン(Igor Sechin)の所有する280フィートのスーパーヨット押収を発表。同日、英国は、2人のロシアのオリガルヒ(oligarch、※政権と深く関係しているロシアの新興財閥)の完全資産凍結と渡航禁止令を発表している。

KleptoCaptureの設立は、ロシアの役人とその政府系エリートに対するDOJによる特定の焦点を強化するものだ。米国とその同盟国はロシアの事業体に制裁を課し続けているため、米国の金融機関とグローバルな事業を行う事業体は、ロシアとのすべての関係を調査および調査するために適切なデューデリジェンスを実施する必要があり、ロシアとの関係が停止するか、少なくとも将来的に厳しく制限されることを予想すしなければならない。