ECB欧州委員会は近日中にデジタルユーロに関する法案提出へ

ECB欧州委員会が近日中にデジタルユーロに関する法案提出へ

ECB(European Central Bank=欧州中央銀行)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)総裁は、EC(European Commission=欧州委員会)が間もなくCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)デジタルユーロに関する法案を提出する予定であると述べた事が分かった。

ラガルド総裁は、「Towards a legislative framework enabling a digital euro for citizens and businesses (日本語訳:市民と企業のためのデジタル ユーロを可能にする立法の枠組みに向けて)」という会議で、これらの発言をしており、次のように述べている。

デジタルユーロの法的枠組みをタイムリーに採用することで、すべての利害関係者が導入の可能性に備え、政治的支援の強いシグナルを送るために必要な法的確実性を得られます。欧州委員会が間もなく提案するユーロを確立するための立法提案を非常に楽しみにしています。


欧州CBDCに対するECBの長期調査

ECBがデジタルユーロの発行を検討し始めたのは2020年1月からで、2020年から21年にかけて、ECBはヨーロッパのCBDCの開発に関して公の協議を求めた。

2020年10月にECB は「ECB intensifies its work on a digital euro (日本語訳:ECB はデジタル ユーロに関する作業を強化する)」というレポートを発行し、同総裁は次のように述べている。

私たちの役割は、お金の信頼を確保することです。これは、ユーロがデジタル時代に適合していることを確認することを意味します。必要に応じて、デジタルユーロを発行する準備をしておく必要があります。

これは、法定通貨を置き換える代わりに、デジタル ユーロがそれを補完することを意味している。2021年7月にECB 理事会は、ヨーロッパの CBDC設計と配布に関する重要な問題に取り組めるように、プロジェクトの調査を発表。プライバシーを確保し、ユーロ市民や仲介者、経済のリスクを回避するための設計オプションを検討している。

CBDCは現金のような機能を模倣できるのか

ECBは2022年9月に「progress on the investigation phase of a digital euro (日本語訳:デジタル ユーロの調査段階の進展)」に関するレポートを発表。

同レポートによると、銀行の調査では、トランザクションがオンラインで行われ、第三者によって検証されるデジタルユーロソリューションと、オフライン決済用のP2P検証済みソリューションが検討されるとのこと。また、デジタルユーロが現金のような機能を模倣し、少額取引でプライバシーを強化できる可能性についても調査するほか、個々のユーザーの保有に対する制限と報酬ベースのツールをデジタルユーロの設計に組み込むことを検討するとのことだ。これらの措置により、投資の一形態としての使用が制限されることが予想されている。

なお、これらの調査研究は 2021年10月に開始されており、2023年10月に終了する予定であある。調査完了後にECBはCBDC導入するかどうか、いつ導入するかを発表するとのこと。

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