英国のサンタンデール銀行、2023 年に仮想通貨取引所への送金をブロックへ

サンタンデール銀行が2023 年に仮想通貨取引所への送金をブロックへ

英国のサンタンデール銀行は、詐欺行為から消費者を守る対策の一環として、2023年から英国の顧客が、仮想通貨取引所にリアルタイムで支払いを送金することを制限すると発表したことがロイター通信の報道によって明らかになった。

サンタンデール銀行は、仮想通貨関連の詐欺から顧客を保護するために、為替取引を制限することが必要であると主張。同銀行は、11月15日(火曜日)から2023年の初めまで、これらの安全網を段階的に実施すると述べている。

最優先事項は仮想通貨詐欺からユーザーの安全を守ること

サンタンデール銀行は英国最大の銀行の1つであり、市場および消費者データを専門とするドイツ企業であるStatistaによると、2021年の資産額は2,870億ユーロ(約2860億円)で、同国第6位の銀行となっている。

Faster Payments Service(日本語訳:より速い支払いサービス)は、英国の銀行や顧客によって頻繁に利用されており、同銀行は、消費者が仮想通貨取引所に支払いを送るための代替手段を与えるかどうかは不明とのこと。Faster Paymentsは、英国の銀行口座の大半で銀行取引を瞬時に行うことを可能にする技術であり、Faster Paymentsを所有するPay UKは、規制当局や決済部門と協力し、詐欺を回避するための保護措置の改善を設計・実行していることを明らかにした。

これらに対して、2023年の未公開の時点で、英国の銀行はテレホンバンキング、支店内決済、オンラインバンキング、モバイルバンキングを通じて仮想通貨取引所へのリアルタイム決済をすべて禁止するとのことで、同銀行の広報担当者は次のように語っている。

仮想通貨詐欺からお客様の安全を守ることは、最優先事項です。私たちは、サンタンデールの口座から仮想通貨取引所への確認されたすべてのFaster Paymentsをブロックすることによって、さらに顧客を保護するつもりです。これは2023年の間に実施される予定です。


FCAはサンタンデール銀行が適切に監督できないと主張

今回のサンタンデール銀行の決定は、2021年に英国での機能を禁止された取引所に対するFCA(Financial Conduct Authority=英国金融行動監視機構)の強い姿勢に沿うものであり、悪質な行為に対して厳しく対応していく姿勢を見せているとみられている。

というのも、FCAは同社が適切に監督できないとし、複雑で高リスクの金融商品が消費者にとってかなりのリスクを構成すると主張している。一方で、サンタンデール銀行は、FCAからの警告に対応し、2021年に大手仮想通貨取引所Binanceへの支払いをブロックしており、同銀行は、Binanceへの取引を引き続きブロックすると述べているとのこと。